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環境Q&A

残留塩素とBOD 

登録日: 2006年06月23日 最終回答日:2006年06月24日 水・土壌環境 水質汚濁

No.17101 2006-06-23 06:07:52 なっつbon

はじめまして、一応水質分析期間で働いています。
最近うちの会社で、議論になっているんですが、小さな分析機関なので答えが出ません。よろしくお願いします。

農業集落排水の水質試験のBODのことなんですが、採取場所ですでに残留塩素が入っています。
うちの前の会社では残留塩素を除いていなかったため値が小さく、うちの会社で残留塩素を除いたらいつより大きな値がでています。
JISや下水試験方法には残留塩素は除くと書いてあるんですが、一般的には残留塩素を除かないというのも聞ききました。
除かなくていい理由とかあるんでしょうか?
それと亜硫酸ナトリウムを入れすぎるとBODの値に影響が出るんでしょうか?

どうかご指導お願いします。

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No.17103 【A-1】

Re:残留塩素とBOD

2006-06-23 19:30:34 なんちゃって計量士

ご参考までに
http://www.eic.or.jp/qa/?act=view&serial=16367
http://webkit.dti.ne.jp/bbs/article.do?userid=power&bbsid=11&index=478941&page=1
http://webkit.dti.ne.jp/bbs/article.do?userid=power&bbsid=11&index=480987&page=1
http://www.eic.or.jp/qa/?act=view&serial=15558
を読んでいただけますか。

で計りたいのが排水の有機物でしたら塩素消毒をおこなう前の段階で採水するのが一番良いかと思われます。只その場合時間変動等を考慮すると変動係数が大きくなる(一時貯留される分だけ当然水質変動は小さくなります)ので次善の策として残留塩素は除くのが本来の姿です。

また、植種水の馴養具合や残留塩素の濃度によっては必ずしも除かなければ正しい値が出ないわけではありませんが、この当は多くの分析担当者が如何に本質を理解していないか、生物による有機物の酸化の評価が如何に難しいかを表しています。

さもなければBODを下げるために水質汚濁防止法やその他の法令に該当しない生物毒性物質を混入しても良いことになってしまいます。(BODが下がったことになります)

今回の場合のように値が変動するのに残留塩素を除かないのは一般的に除かないのではなくて、だらしない、いい加減、ものを知らないだけの話です。除かなくても除いても同じ値(変動係数の範囲内で)が出る場合には除かなくても良いのです。他の分析の考慮すべき妨害物質と同じ扱いです。

回答に対するお礼・補足

ご返答ありがとうございました。
一般的に除かないと聞いたので不安でしたが、安心しました。
発注者に打ち明けて、今後の採水場所、結果について検討していきたいと思います。
ほんとうにありがとうございました。

No.17118 【A-3】

Re:残留塩素とBOD

2006-06-24 12:12:00 papa

この種の処理水でばらつきが生じるのは、残存するアンモニアによる酸素消費(通称N-BOD)をどう把握するかの違いによります。
処理水の硝化細菌量が多い(SSが高い)時や、残存アンモニア濃度が高い場合には、希釈液にもアンモニウムイオンが含まれているので、分析操作に依存するデータのばらつきが大きくなります。
残留塩素は従属栄養細菌よりも硝化細菌への障害が大きいので残留塩素のあるまま測定を行うと、実質的には硝化抑制BODを測定することになります。
下水系の処理水を分析するときには、同時に形態別の無機窒素濃度と、硝化抑制剤を利用した硝化抑制BODを測定してNーBODがどのくらいかを把握しておけばばらつきの原因がわかります。
基本設計が硝化促進型である農業集落排水の処理水でN-BODが高いようなら、処理障害の状態にあると判断できます。
下水道維持管理指針によれば、統計的にはアンモニア性窒素1mg/l当たり2〜3mg/lのN-BODになります。

排水基準の法的適合性を厳密に計量するなら、排出口からの塩素消毒された検体に従属栄養細菌の標準植種液を使用して計測するべきものと思います。

外注で分析を依頼すると、ご質問にあるようなデータのばらつきで現場が混乱することもよくありますし、監督官庁の立入検査でも意味不明の分析結果の通知をいただいたことが何度かあります。
計量証明事業所の実力判定には、BODはよい素材と考えております。
機能判定のための計量か、排水基準法的適合性判定のための計量かで計量値のとらえ方が全く異なりますので、依頼者に趣旨を尋ねてから分析手法を検討していただくのがよいと思います。

回答に対するお礼・補足

ご返答ありがとうございます。
次回の分析の時にC-BODも測ってみることにします。
ご指導本当にありがとうございました。

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