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環境Q&A

掘り返しごみ 

登録日: 2004年05月28日 最終回答日:2006年06月11日 ごみ・リサイクル 産業廃棄物

No.6062 2004-05-28 15:22:26 西郷どん

廃棄物処理場跡地に建設工事を行っていますが,基礎工事を行う
ときに埋立られていたゴミが大量に掘り起こされました。その
ゴミについては,産業廃棄物として処分場に排出していますが
発注者がその費用は請負契約に含むとして,処分費用の支払いを
拒んでいます。
契約数量には,埋め立てられていたゴミの数量など一切明細があ
りません。
発注者と裁判で争うと考えていますが,関連する法令等をご存じ
であれば教えて下さい。

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No.6211 【A-1】

Re:掘り返しごみ

2004-06-07 14:04:59 東京都 / 君山銀針

建設廃棄物は何故、発注者が排出者にならないのですか
http://www.eic.or.jp/qa/?act=view&serial=4983
の回答で説明されているように、通常、建設工事の場合は元請業者に処理責任を負わせることになっています。

根拠になっているのは、「建設工事等から生ずる廃棄物の適正処理について(通知)」
http://www.env.go.jp/hourei/hourei.php3?id=11000260&bun_id=1188&mode=hname&word1=%8C%9A%90%DD%8DH%8E%96%93%99
「2.1 排出事業者の責務と役割
(1) 建設工事等における排出事業者には、原則として元請業者が該当する・・・」という部分。

ただし同じ通知で
「2.2 発注者等の関係者の責務と役割
 建設工事等における発注者等の排出事業者以外の関係者は、発生抑制、再生利用等による減量化を含めた適正処理について、排出事業者が廃棄物処理の責任を果たせるよう、それぞれの立場に応じた責務を果たさなければならない。
(1) 発注者は、廃棄物の発生抑制、再生利用を考慮した設計に努めるとともに廃棄物処理の条件を明示する・・・」
といった内容がありますので、この部分に違反があった場合は元請けの責任も問われると思います。

ところで、このケースでは土壌汚染などは大丈夫だったのでしょうか?

回答に対するお礼・補足

君山さん,ありがとうございました。

工事に伴う廃棄物は,全て元請け業者の責任になるのですね。掘り返しゴミについては,契約段階で詳細な取り決めをすべきでした。

土壌汚染については,発注者の方で調査済みでした。

No.6214 【A-2】

Re:掘り返しごみ

2004-06-07 17:14:51 東京都 / 君山銀針

西郷どん 様

前の回答の最後

> (1) 発注者の責務と役割といった内容がありますので、この部分に違反があった場合は発注者の責任も問われると思います。

のつもりでした。訂正します。

なお「発注者の責務と役割」としては
1) 建設工事等を行う以前からの廃棄物(例えば、解体予定建築物中に残置された家具等の廃棄物)を適正に処理すること。
2) 元請業者に行わせる事項については、設計図書に明示すること。
1建設廃棄物の処理方法
2処分場所等処理に関する条件
3建設廃棄物を再生処理施設に搬入する条件等

3) 企画、設計段階において、建設廃棄物に関する以下の項目について積極的に推進すること。
1建設廃棄物の発生抑制
2現場で発生した建設廃棄物の再生利用
3再生資材の活用
 
4) 積算上の取扱いにおいて適正な建設廃棄物の処理費を計上すること。

5) 元請業者より、建設廃棄物の処理方法を記載した廃棄物処理計画書の提出をさせること。

6) 工事中は建設廃棄物の処理が適正に行われているか注意を払うこと。

7) 工事が終わった時は元請業者に報告させ、建設廃棄物が適正に処理されたことを確認する。また、建設廃棄物が放置されていないか注意を払うこと。

8) コンクリート、木材等の特定の建設資材を用いた建築物の解体工事等を発注する場合には、分別解体の計画等を都道府県知事に届け出るなど建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律に従うこと。

などの詳細な内容があるので、事前に計画を示さなかったことについては発注者と交渉の余地があるのではないでしょうか?

回答に対するお礼・補足

君山 様

詳細な説明ありがとうございました。

発注者責任を果たしていない事項を基に,更に交渉を行っていき,全て請負業者責任としていることに対しての考えを改めて貰うまで頑張っていきます。
ありがとうございました。

No.16917 【A-3】

Re:掘り返しごみ

2006-06-11 17:49:40 法と正義に注目

>発注者と裁判で争うと考えていますが,関連する法令等をご存じであれば教えて下さい。

具体的な裁判事例がはじまりました

セイコーエプソン株式会社敷地内に埋設されていた廃棄物の処分にかかる王子製紙(株)への損害賠償請求訴訟について

 セイコーエプソン株式会社(社長:花岡清二)は、当社広丘事業所において地中より産業廃棄物が確認された際、その適正な処理を進めるとともに、土地の前所有者である王子製紙株式会社(東京都中央区銀座4−7−5、社長:鈴木正一郎氏)に対して、その処理費用を請求し、協議を続けてまいりました。しかしながら、王子製紙(株)との間で、本件について合意に至らず、本日、東京地方裁判所に訴訟を提起いたしました。
【経緯】
 本件の対象となる土地は2000年7月に当社が王子製紙(株)より購入したものです。
 2004年7月、当社は、砒素に関する地下水調査に際して、地下水観測用の井戸を掘削したところ、汚泥状の廃棄物が確認されました。そこで、当社は、前所有者である王子製紙(株)に対し、廃棄物に関する来歴等を確認したところ、当該廃棄物が同社の事業に起因するものであることがわかりました。その後、当社は埋設廃棄物の調査結果について公表し、廃棄物や汚染物質の取り扱いについて、行政からの指導を受けるとともに、王子製紙(株)との間で連絡をとりながら処理を実施してまいりました。
 しかしながら、当該廃棄物等の調査・処理費用の負担に関する協議において、当社と王子製紙(株)の見解が相違し、具体的な費用負担につき合意に至ることができなかったため、今般、やむを得ず訴訟を提起することとした次第です。

【廃棄物の内容】

・ 本件土地において、地表から深さ約0.5mから2.5m付近までに汚泥、インキ、焼却灰、ビニールなどの廃棄物が確認されました。
・ 廃棄物および土壌を分析した結果、これらからダイオキシン、PCB、鉛、フッ素、六価クロム、ホウ素、ヒ素が基準値を超えて検出されました。

中略

【処分量】
・ 約9,200トン

【損害賠償請求金額】
・ 約640,000,000円

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