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環境ニュース[国内]

国立環境研究所、中国からのブラックカーボン排出量は過去10年で4割もの大幅減少との研究成果を発表

地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2020.06.30 【情報源】国立環境研究所/2020.06.05 発表

 国立研究開発法人海洋研究開発機構、地球環境部門地球表層システム研究センターと国立大学法人神戸大学、国立研究開発法人国立環境研究所等は共同で、長崎県・福江島にて長期にわたり大気観測を実施し、中国から排出されるブラックカーボン(BC)量が過去10年で4割もの大幅減少を遂げたことを明らかにした。

 BCは化石燃料等の不完全燃焼によって大気中へ排出される「すす」粒子のことで、太陽光の直接吸収や雪氷面の反射率低下を通じて地球温暖化に寄与するため、CO2等とともに排出量の変動を把握し、気候影響を評価することが課題となっている。

 BCの排出量は、社会経済的な統計情報に基づいて推計されるが、その不確かさの幅は中央値の1/2〜2倍と広く、また世界の30%にも上るとされる中国からの排出量について、増加しているのか減少しているのか、定まった見解がなかった。

 そこで同研究では、中国から偏西風に乗って汚染大気が到達しやすい福江島において、大気中のBC濃度を2009年から2019年まで10年以上継続観測し、その推移から、排出量とその変化を推定した。

 その結果、中国からのBC排出量の不確かさを±27%にまで絞り込むとともに、最近10年で4割もの大幅減少を遂げたことを見出した。2021年の公表へ向けて現在とりまとめが進められているIPCC第6次評価報告書では、中国からのBC排出量は2014年まで増加したものとしてその気候影響が評価されるが、それとは逆の傾向であることを初めて明確に示したもの。

 同成果は、6月5日(日本時間)に欧州地球科学連合の専門誌「Atmospheric Chemistry and Physics」に掲載された。

 詳細はプレスリリース参照。

国立研究開発法人国立環境研究所

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