一般財団法人環境イノベーション情報機構
UNEP親善大使加藤登紀子さんが中国を訪問
【地球環境 国際環境協力】 【掲載日】2004.08.18 【情報源】環境省/2004.08.17 発表
国連環境計画(UNEP)親善大使の加藤登紀子さんが2004年7月19日から28日までの間、中国の北京、大同、貴陽、上海を訪問した。急激な経済成長を遂げる中、環境対策のためのインフラや社会的な仕組みの整備が十分ではない中国では、さまざまな環境問題が存在し、重要課題となっている。
加藤登紀子さんは北京市で活躍する中国初の環境NGO「自然の友」、大同市での植林現場、貴陽市での工場の環境対策、上海市の廃棄物処理や下水処理の現場を視察。その活動を激励、地元の人々と交流した。
また加藤さんは、これらの活動の中で、北京の水源となる官庁ダムの源流、桑干河の流れがわずかになっていることを目撃したり、日本のNGOの協力で内蒙古に植林された木が地下水位低下で枯れたことを聞いたことを踏まえ、「巨大都市へと変貌した北京のライフラインには不安を感じる」と指摘。さらに旧来型の産業や農業などへの配慮が、中国全体の中で低下していることや巨大資金が近代化だけに使われる傾向にあることに懸念を示し、「中国のこれからの方向が地球的レベルでの環境問題を左右するだろうとの問題意識から今回の中国訪問になったわけだが、かなり深刻な危機を感じざるを得ない。むやみに近代化を急がず、環境に配慮した環境インフラを今から同時に建設するべきだと提案したい」とコメントを残した。
加藤さんは2000年10月にUNEP親善大使に就任。2002年8月にはヨハネスブルグ・サミットに参加したほか、これまでタイ、インドネシア、モンゴル、韓国、ウズベキスタン、キルギス、フィジー、トンガ、インドを親善大使として訪問している。【環境省】