一般財団法人環境イノベーション情報機構
国際エネルギー機関、重要鉱物の供給集中がエネルギー安全保障上のリスクと報告
【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2025.06.05 【情報源】国際機関/2025.05.21 発表
国際エネルギー機関(IEA)は、「世界重要鉱物見通し2025」を公表し、現在の重要鉱物市場は2021〜22年の高値から下落し供給が十分なように見えるが、少数の国の供給集中と輸出制限の拡大が今後10年の供給リスクを高めていると指摘した。具体的に、
・重要鉱物市場は、特に精錬や加工で集中しており、銅・リチウム・ニッケル・コバルト・グラファイト・レアアースは、供給国トップ3の平均市場シェアが2020年の約82%から2024年に86%に拡大。重要鉱物サプライチェーンの多様化に向けた進捗が遅い。
・近年、主要エネルギー関連鉱物の需要は力強く増加。2024年のリチウム需要は2010年代の年間増加率を大幅に上回り約30%増加し、中国やインドネシア等の供給が急増。
・2024年の重要鉱物への投資は前年の14%増から5%増に低下。
・銅市場は各国の電力網拡張に向け需要が急増、供給不足が見込まれる。
・報告書の分析対象鉱物の55%が現在、何らかの輸出制限の対象。
・中国は分析対象鉱物20品目のうち19品目の主要精錬国。
【国際エネルギー機関】