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環境ニュース[国内]

東京・南青山地区を想定し、緑化による建築・街区空間の熱環境改善効果を試算

環境一般 まちづくり】 【掲載日】2005.08.15 【情報源】国土交通省/2005.08.12 発表

 国土交通省は平成17年8月12日、東京・港区の南青山地区を想定して実施した、緑化による建築・街区空間の熱環境改善効果に関する3次元シミュレーション調査の結果を公表した。
 この調査は、東京工業大学の梅干野研究室が開発した熱環境の数値シミュレーションを利用して、同省の「ヒートアイランド現象の緩和に資する緑化ビジョン計画及び効果予測に関する検討委員会」が実施したもの。
 南青山の(1)街路沿いの街並み、(2)倉庫・駐車場敷地、(3)商業・業務街区、(4)中低層集合住宅街区の4地区を3次元空間としてコンピュータ上で再現。現在の街並みと緑化した場合の街並みについて、それぞれ暑さの体感指標「平均放射温度(MRT 注1)」と、街区が大気に与える熱環境負荷指標「ヒートアイランドポテンシャル(HIP 注2)」を試算し比較した。
 なお、試算に使用した4街区の緑化前と緑化後の緑被率は、(1)が10%と54%、(2)が3%と82%、(3)が11%と31%(4)が6%と52%。
 公表結果によると、4街区とも緑化による気温抑制効果がみられ、MRTが気温より低くなった区域は(1)では23%から49%、(2)では3%から88%、(3)では5%から9%、(4)では12%から33%に増加。
 HIPも現況と比べて(1)で最大約7℃、(2)で最大約12℃、(3)で全般的に2〜3℃、(4)で最大で約10%低減。特に(2)では夜間に都市を冷やす効果まで発揮した。
 
(注1)暑さ感を示す体感指標の1つで、周囲の全方向から受ける熱放射を平均化して温度表示したもの。MRTの値が気温よりも高いと、周囲から受ける放射熱による暑さを感じ、逆に気温よりも低いと涼しさを感じる。
(注2)建物や地面などすべての表面から発生する顕熱の街区面積に対する割合。プラスであると都市を暖める方向の効果、マイナスであると都市を冷やす方向の効果を発揮していると考える。【国土交通省】

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