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環境ニュース[海外]

EPA 酸性雨プログラム 2004年の進捗状況を報告

地球環境 酸性雨】 【掲載日】2005.11.14 【情報源】アメリカ/2005.10.26 発表

 EPAは、酸性雨プログラムに関する年次報告書「酸性雨プログラム2004年進捗報告書」を公表した。
 これによると、2004年において、発電施設からのSO2排出量は、1990年比で約34%(500万トン以上)、1980年比で40%以上(700万トン)減少した。NOx排出量は1990年以来、300万トン削減され、酸性雨プログラム実施前との比較では半分近く減少した。NOxについては、東部で実施されているNOxバジェット取引プログラムなどのたのNOx規制も、削減に寄与している。
 また、酸性雨プログラムの遵守率はきわめて高く、ほぼ100%である。2004年においては、3391の発電施設のうち、4施設が、排出量をカバーするだけのアラウアンス(排出許可証)を保有していなかった。これらの排出源に対しては、アラウアンスの上限を超える465トン分のSO2に対し、1トンあたり2963ドル(約32万6000円)の罰金が科せられた(総額140万ドル、約1億5400万円)。加えて、これらの排出源のアカウントから465アラウアンスが引かれた。
 同プログラムによる排出削減によって、酸性降下物も大幅に減少している。国内のいくつかの地域においては硫黄降下物が約36%減少し、酸性化した湖沼が減るなど、環境の改善も見られる。2004年において、大気降下物中のSO2および硫黄の濃度は、酸性雨プログラム実施前より約30%減少し、一部の地域においては約50%減少した。排出削減によって、粒子状物質の発生の減少、大気質の改善、生態系の保全といった成果も生じている。
 なお、「Journal of Environmental Management」誌における分析では、このプログラムによる、2010年時点でのヒトの健康および環境上の便益は、年間1220億ドル(13兆4200億円)と推計されている。これらの便益には、早死、疾病、疾病による労働日喪失などの回避の他、公園における視界の改善や生態系の改善なども含まれている。【EPA】

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