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環境ニュース[国内]

南部アフリカ3か国から日本への1回限りの象牙輸出が決定 ワシントン条約第55回常設委員会

自然環境 野生動植物】 【掲載日】2007.06.05 【情報源】環境省/2007.06.03 発表

 オランダのハーグで、2007年6月2日午後(現地時間)に開催されたワシントン条約第55回常設委員会(注1)で、ボツワナ、ナミビア、南アフリカの南部アフリカ3か国から日本への1回限りの象牙取引が認められた。
 南部アフリカ3か国からの象牙取引に関しては、附属書2(注2)掲載種である各国のゾウ個体群の象牙のうち、自然死したゾウから得られたものなど、一定条件を満たす場合に1度限りの輸出を可能とすることが02年開催のワシントン条約第12回締約国会議で採択され、この輸出の取引国に日本を含めることなどが、06年10月開催の第54回常設委員会で合意されていた。
 ただし、第54回常設委員会の時点では、取引条件の1つである、3か国でのゾウ密猟監視に関する基礎的情報が整っていなかったことから、取引に関する最終決定は、今回の委員会に持ち越されていた。
 今回の委員会では、3か国でのゾウの密猟監視に関する基礎的情報が整備されたことが条約事務局から報告され、投票により、この報告を了承することが賛成多数で決定されたほか、同じく条約事務局から、日本国内の象牙の流通管理状況について、「第54回常設委員会の決定を見直すいかなる理由も見出せない」とする報告が行われ、日本が取引相手国となることが了承された。
 一方、同じく取引相手国に立候補していた中国については、国内流通管理制度は整っているものの、象牙の密輸先であることが指摘され、投票の結果、取引相手国とすることが僅差で否決された。
 3か国が所有する取引対象の象牙は最大60トンと見込まれている。また、この象牙取引から得られる全収益は、ゾウの保全、生息域とその隣接地域に暮らす地域住民の開発計画に使われる予定。【環境省】

(注1)ワシントン条約の履行や運営事項に関する各種決定を行う機関であり、締約国と次の締約国の間に開催される。メンバーは地域代表のほか、寄託国であるスイス、前回と次回締約国会議の開催国の合計18か国。投票権は地域代表だけに付与される。
(注2)ワシントン条約附属書2は国際取引制限種で、輸出時に輸出国の輸出許可証が必要。

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