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環境ニュース[国内]

反捕鯨国との歩み寄りみられず、日本が脱退の可能性を表明 第59回IWC年次会合

自然環境 野生動植物】 【掲載日】2007.06.08 【情報源】水産庁/2007.06.05 発表

 2007年5月28日から米・アラスカ州アンカレッジで開催されていた、国際捕鯨委員会(IWC)第59回年次会合が5月31日に閉幕した(日付は現地時間)。
 今回の会議には、IWC加盟77か国(鯨類の持続的利用支持国36か国、反捕鯨国41か国)のうち72か国(鯨類の持続的利用支持国32か国、反捕鯨国40か国)が出席。
 (1)調査捕鯨の妨害活動への対処、(2)先住民の生存のための捕鯨枠、(3)ミンククジラに関する日本の沿岸小型捕鯨捕獲枠の要求、(4)鯨類資源管理機関としてのIWC正常化−−などの内容が検討された。
 このうち 調査捕鯨の妨害活動については、反捕鯨団体の危険な妨害活動に対し、加盟国の責任ある対応を促す決議(日本・ニュージーランド提案)が合意により採択されたほか、米国、ロシア、セントビンセント、グリーンランド(デンマーク)に対して設定されている先住民の生存のための捕鯨枠についても更新が認められ、グリーンランドが要求していた同捕鯨枠の拡大も投票により採択された。
 しかし一方で、日本が先住民の生存のための捕鯨枠と非常に似たものであるとして要求した、日本沿岸でのミンククジラに関する小型捕鯨捕獲枠は、合意不成立により投票が取り下げられただけでなく、この問題を解決するために提案した科学委員会での捕獲枠設定作業開始決議案も合意が成立しなかった。
 さらに、日本が求めた鯨類資源管理機関としてのIWC正常化についても、反捕鯨国側が主張を変えず、歩み寄りがみられなかったため、日本は現時点ではIWC正常化の可能性が見込めないことが明らかになったとして、(1)IWC脱退、(2)IWCに代わる新たな鯨資源管理国際機関の設立、(3)沿岸小型捕鯨の自主的再開などを、真剣に考えることを意思表明した。
 水産庁の森下丈二・漁業交渉官は、今回の会議の現地レポート・ブログの中で「IWCでは、”商業捕鯨がなぜ悪いか”という質問に対して、”モラトリアム(商業捕鯨一時停止)があるからダメ”という以外の答えがなく、しかも”モラトリアムは正しいか”の議論がされていない。今回の沿岸小型捕鯨提案も、最大限の誠意を払って持続的利用であることを、誰でもわかるように話をしたが、答えが返ってこなかった。3つの意思表示は、2年後のIWC会場に立候補を予定していた横浜にも降りてもらい、態度の真剣さを示したので、重みを持って受け止められたはず。我々にとってこれからの仕事だが、(捕鯨問題が)新たな方向に”やっと”動きだしたと思う」というメッセージを残している。【水産庁】

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