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環境ニュース[国内]

カネミ油症患者らを対象にした19年度検診事業の予定を公表

健康・化学物質 公害予防/被害】 【掲載日】2007.07.11 【情報源】厚生労働省/2007.07.10 発表

厚生労働省は平成19年にカネミ油症患者らを対象に実施する検診事業の実施予定を、19年7月10日付けで公表した。
 カネミ油症事件は、1968年に北九州のカネミ倉庫が製造した食用米ぬか油に、脱臭工程で使用されたPCBが混入したことで発生した日本有数の食品公害事件。福岡県・長崎県をはじめとする西日本一帯で、この米ぬか油を食べた人々に健康被害が発生
している。また近年、PCBとPCBが加熱酸化されて生成されたダイオキシン類との複合汚染であったことが判明している。
 厚生労働省では、保健医療、福祉、生活衛生、労働安全衛生分野の研究に対する競争的研究資金(注1)である「厚生労働科学研究費補助金」により、カネミ油症による健康影響の把握と治療法開発などに取組む「熱媒体の人体影響とその治療法に関する研究(主任研究者:古江増隆・九州大学大学院医学研究院皮膚科学分野教授)」への支援を行っており、今回の検診は同研究事業の一環として実施されるもの。
 検診は19年7月から20年2月まで、全国の33都府県で実施予定で、このうち福岡県と長崎県の検診では、これまでの研究で油症と骨の異常が関連する可能性が指摘されていることから、骨密度検査を試行実施し、因果関係の解明に役立てる方針。
 なお研究班では、カネミ油症の根治療法開発の一環として、これまでの検診結果を踏まえ、ダイオキシン類排泄促進剤による臨床治験を行っており、福岡県と長崎県の検診では、参加した患者らに同治験への参加依頼も行う予定。【厚生労働省】

(注1)資金配分主体が、広く研究開発課題を募り、提案された課題の中から、専門家を含む複数の人々により、科学的・技術的な観点を中心とした評価に基づいて実施すべき課題を採択し、研究者らに配分する研究開発資金。

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