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環境ニュース[国内]

中国 地方自治体間の炭素排出量取引を提言

地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2008.12.03 【情報源】/2008.11.25 発表

 CO2排出量削減のインセンティブとして、中国の各省、県、自治区の間で、炭素排出量取引制度を構築するよう提言する報告書が公表された。
 この「炭素バランス及び中国の炭素排出量取引に関する枠組報告書」は、中国科学院政策管理研究所(CAS IPM)の牛文元教授率いる専門委員会が策定したもの。炭素の排出量と吸収量をトータルで見た各省のランキングや、各地方自治体の間の炭素収支をベースにした炭素排出量取引メカニズムの提案が盛り込まれている。中国環境保護省の潘岳副大臣は、提案された排出量取引制度は、政府が検討中の環境経済政策の重要な部分になると歓迎している。
 報告書では、炭素基金と環境補償基金という2つの基金を創設することも提言。このうち、炭素基金は、炭素の排出量が吸収量を上回る自治体に過剰な排出分に応じた支払いを求めるもので、これを原資に、炭素吸収源の増加、国のクリーン開発メカニズム事業の促進、省エネ技術や排出削減技術の開発の支援等に補助を行う。吸収源の増加や生態系保全を奨励する効果が期待されるが、この制度では、雲南省、青海省、チベット自治区を除く、全ての自治体が排出過剰分を支払わなければならなくなる。
 一方、環境補償基金は、全国のトータルの排出量からベースラインを設定し、各省、県、自治区に、経済規模に応じた排出枠を割り当てる。排出枠を超過してしまった自治体は、超過分に応じた支払いを行い、排出枠内に収まった自治体は、その貢献度に応じて補償金を受け取る。この制度で最も利益が大きいのは、チベット自治区、青海省及び雲南省で、中国東部・中部の地方自治体は排出枠の購入者となる可能性が高い。
 潘岳副大臣は、こうした排出量取引制度について、低炭素エネルギー技術の開発を加速し、経済開発の様式を変革し、省資源型社会の構築に重要な役割を果たすと期待を示した。【中国科学院】

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