世界資源研究所、公共交通機関のマーケティング・ガイドとなる報告書を公表

【大気環境 交通問題】 【掲載日】2011.06.09 【情報源】／2011.05.26 発表

　世界資源研究所（WRI）の持続可能輸送センター（EMBARQ）は、公共交通機関の良さをアピールするためのガイドとなる報告書『ここから向こうへ：公共交通の選好を促すためのクリエイティブガイド（From Here to There: A Creative Guide to Making Public Transport the Way to Go）』を公表した。
　民間の大手自動車会社各社は自家用車普及のために毎年多額の宣伝費を投じており、自家用車の台数は、過去10年ほどの間に、ブラジルで2倍強、インドでは20倍に増えている。これに対し、公共交通の導入に当たっては技術面や資金面ばかりが重視され、ブランド戦略やマーケティングは後回しにされている。
　このガイドは、公共交通当局が利用者の拡大と政府による支援確保を目指した戦略開発に利用することを目的とする。また、「都市環境の改善のためには、高品質の公共交通システムを作るだけでなく、市民にその良さを納得させることも必要」として、公共大量輸送機関を自家用車に対抗する望ましい選択肢にするために、ブランド化、対外的・対内的コミュニケーション、利用者への情報提供などのマーケティングの手法を活用することを提案する。EMBARQは、このガイドをきっかけとして公共交通マーケティングの取り組みが広がることを期待している。【世界資源研究所（WRI）】