一般財団法人環境イノベーション情報機構

ヘルプ

サイトマップ

メールマガジン配信中

環境ニュース[海外]

欧州環境庁、ランドスケープの細分化の現状について報告書を公表

自然環境 その他(自然環境)】 【掲載日】2011.09.21 【情報源】EU/2011.09.05 発表

 欧州環境庁は、スイス連邦環境局との共同研究の結果として報告書「ヨーロッパにおけるランドスケープの細分化」を公表した。この研究は、道路、高速道路や鉄道の建設、大規模農業や都市開発によって、ランドスケープの細分化が進むことにより、動物の生息地の孤立が進み、動物の交通機関との衝突死が増加し、動物の資源へのアクセスを阻害するといった問題が発生することを問題視したもので、開発者に対し、動物がより自由に移動できるようにトンネルや橋の構築、また新規に道路を建設するのではなく古い道路の改修といった開発を求めている。報告書では、ヨーロッパ各地のランドスケープの細分化の状況について次のように報告している。
●ランドスケープの細分化が特に進んでいるのは、ベネルクス三国(オランダ、ルクセンブルク、ベルギー)。続いてマルタ、ドイツ、フランスである。
●カルパチア山脈のあるルーマニアは、ランドスケープの細分化の回避に成功している。13の国立公園と5万地区以上の保護地区により、ヨーロッパに生息する熊の60%、オオカミの40%、オオヤマネコの35%の生息地を提供している。
●イギリスの状況は多様である。ロンドン周辺は、ヨーロッパ内で最も細分化が進んだ地域の一つであるが、スコットランド高地地方は、細分化が少ない地域の一つとなっている。
●スカンジナビアなど人口密集度が低い地域、山間部、都会から隔離した地域では、ランドスケープの細分化は非常に少ない。
●スペインやギリシャ、イタリアといった地中海地方におけるランドスケープの細分化は中レベルである。海岸地域では開発により、ランドスケープの細分化が進んでいる。
●東ヨーロッパ及び中央ヨーロッパに道路建設計画が多数存在している。例えば、ポーランドでは空前の規模で高速道路建設計画があり、対策なしではランドスケープの細分化がより進行する。
【欧州環境庁】

情報提供のお願い(企業・自治体の方へ)

記事に含まれる環境用語

プレスリリース