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NEC、高電圧・長寿命の次世代マンガン系リチウムイオン2次電池試作、軽量化実現

エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2012.10.11 【情報源】企業/2012.10.09 発表

 NECは、高電圧・長寿命の次世代マンガン系リチウムイオン2次電池を試作した。電池の軽量化や、電気自動車(EV)の航続距離向上を実現する。新たに開発した正極と電解液によって、マンガンを正極に使った従来のリチウムイオン2次電池と比べ、安全性を維持しながら重量あたりの容量(エネルギー密度)を30%高めた。大容量と軽量化が可能になる。

 これまでも採用しているマンガン系の正極材料の一部をニッケルに置き換え、高い電圧で動作するようにした。この正極と黒の負極を使うことで平均動作電圧を従来の約3.8Vから約4.5Vに高め、エネルギー密度を1kgあたり150Whから200Whに30%高めた。重量が同じ電池の場合、ためられるエネルギーが約30%増え、同容量だと重さを30%軽減できる。

 電解液は、カーボネート系と呼ばれる従来の溶媒を、耐酸化性に優れるフッ素化溶媒に改め、課題とされていた正極の表面で発生する酸化分解を抑える。20℃の環境で満充電と放電を繰り返す500回の試験で初期容量の約80%を維持し、45℃の高温でも約60%を維持できる。高温下の内部のガスによる電池の膨れ率も、2倍以上から約10%へ大幅に低減した。

 マンガンは埋蔵量が豊富で安価なため、NECは、マンガンを正極に採用したリチウムイオン2次電池を開発・生産し、EVや大容量蓄電池に搭載している。エネルギー密度の向上が求められていることから電池を高電圧にし、それに伴う電解液の酸化分解を抑制する技術を開発した。今後、容量、寿命、信頼性をさらに改善し、EVや大型蓄電池への適用を目指す。【日本電気(株)】

提供:ECO JAPAN(日経BP社)

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