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環境ニュース[国内]

王子・三菱化学、セルロースナノファイバーの透明連続シート化に世界で初めて成功

エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2013.03.21 【情報源】企業/2013.03.18 発表

 王子ホールディングスと三菱化学は、植物由来のセルロースナノファイバーの透明連続シート化に世界で初めて成功した。ガラス繊維より優れる特性を持ちながら環境負荷が小さく、リサイクル性が高いことが特長となる。王子ホールディングスの東雲研究センター(東京都江東区)に連続シート化設備を設置し、サンプルの製造と供給を始める。
 セルロースナノファイバーは、パルプの植物繊維をnm(ナノメートル、1mmの100万分の1)レベルにまで細かく解きほぐした材料で、太さは髪の毛の2万分の1程度。温度の変化に伴う伸縮の度合い(線熱膨張係数)がガラス繊維並みに小さいうえ、ガラス繊維より弾性率が高く、硬くて丈夫な特性がある。従来の抄紙機では細さが原因でシート製造が困難だった。
 王子ホールディングスと三菱化学は2009年10月からセルロースナノファイバーに関する共同研究を行い、今回、化学処理技術、製紙技術、シート加工技術を融合した従来にない製造方法を開発し、約4nmの超極細セルロースナノファイバーで透明な連続シートの製造に成功した。軽量で紙のように折り畳むことができる。
 透明な連続シートは、必要な時に開いて使用できる太陽電池や大型ディスプレーなどへの応用が期待される。樹脂と複合化することで樹脂の透明性を失うことなく、温度変化に伴う伸縮が小さく丈夫で柔軟性のある特性を加えることができる。両社は今後、幅広い用途展開を目指して連続シート化設備でサンプルを製造・供給し、製品開発を推進する。【パナソニック(株)】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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