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環境ニュース[国内]

NEC、非食用植物原料のバイオプラスチックを低エネルギーで合成する技術開発

エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2014.05.13 【情報源】環境省/2014.05.13 発表

 NECの研究グループは、非食用植物資源のセルロースと、天然油を原料にする「セルロース系・高機能バイオプラスチック」を低エネルギーで合成する製造技術を開発した。CO2排出量を従来の10分の1に低減する。独立行政法人科学技術振興機構(JST)の低炭素化技術開発テーマ「非食用の多糖類を利用したバイオプラスチックの研究開発」の一環となる。
 セルロース系・高機能バイオプラスチックはNECが独自に開発した。植物の茎や木材の主成分になっていて人の食用に適さない多糖類のセルロースに、農業副産物のカシューナッツ殻由来の油状成分を化学結合して合成する。加熱した際の流動性があるうえ耐熱性、 耐水性に優れ、植物成分率が約70%と高い。電子機器など耐久製品での実用化を予定する。
 製造は、従来のようにセルロースを有機溶媒に溶解させるのではなく、有機溶媒でゲル状に膨らませた状態にしたうえで、各成分を2段階で結合して樹脂を合成する技術「2段階不均一系合成プロセス」を採用した。生成樹脂は、溶液からの沈殿分離などで容易に回収でき、必須だった生成樹脂分離用の溶媒は不要になる。これにより、合成のための溶媒量が約90%削減できる。
 同時に、エネルギーは従来の10分の1で、セルロース系・高機能バイオプラスチックが製造でき、量産コストを大幅に削減する。NECは、現在の実験室レベルの規模を段階的に拡大して量産技術を確立し、2016年度中の量産開始を目指す。本格量産時には、PETなどの石油原料系の高機能プラスチックと比べ、製造エネルギーの約50%削減を目標にする。【日本電気(株)】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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