一般財団法人環境イノベーション情報機構

ヘルプ

サイトマップ

メールマガジン配信中

環境ニュース[国内]

住友林業など、発芽が期待される樹木種子の選別技術を開発、苗木生産のコスト低減

エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2015.06.23 【情報源】企業/2015.06.18 発表

 住友林業は、国立研究開発法人森林総合研究所、九州大学大学院理学研究院とともに、発芽が期待される樹木の種子を効率的に選別する技術を開発した。スギ、ヒノキなど主要な造林樹種で発芽する種子が高確率で分かる。苗木の生産コストを低減し、新たな森づくりの推進につながる。これまでは発芽する種子としない種子の効果的な選別が難しかった。
 スギやヒノキは、発芽に必要な構造や成分を欠いた種子が形成されることが多く、採取した地域や年によっても大きく変動する。従来は外観、大きさ、重さ、密度などで選別しているが、発芽する種子としない種子は特性が似ているため、効率的にできなかった。内部の構造を観察すると容易に見分けられるものの、種子を解剖すると発芽能力は失われる。
 研究グループは、発芽する種子としない種子の構造や成分の違いを破壊することなく検出する手段として、異なる化合物が違う波長の赤外光を吸収する性質を持つことに着目した。解析の結果、発芽する種子はしない種子より特定の波長を吸収しやすいことが分かった。この波長で赤外線カメラに暗く映る種子ほど発芽する種子の可能性が高いことになる。
 この基準を適用したところ、95%を上回る正確性で発芽する種子を選び取ることに成功した。研究成果によって種子の利用効率と育苗の生産性を高められる。発芽する種子の自動選別機を開発してこの技術の実用展開を進めることで、高い発芽率が見込まれる種子を全国に供給できる体制が整備できる。選別種子の発芽を誘導処理する技術の開発も進める。【住友林業(株)】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

情報提供のお願い(企業・自治体の方へ)

プレスリリース

関連情報

関連リンク