一般財団法人環境イノベーション情報機構

ヘルプ

サイトマップ

メールマガジン配信中

環境ニュース[国内]

クロロホルム 大気と水からの複合摂取でラットの腫瘍が激増

健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2003.06.16 【情報源】環境省/2003.06.13 発表

 環境省は平成15年6月13日までに、(1)特定の化学物質が大気経由、水経由、土壌経由のうち複数経路から摂取された場合の健康への影響についての調査と(2)複数の化学物質の複合的な健康への影響を調べる調査について、14年度までの結果をまとめ公表した。
 このうち、平成5年に開始された複数経路で摂取された化学物質の影響調査は、クロロホルム、1,4−ジオキサン、酢酸ビニル、1,2−ジクロロエタンの4物質を大気(吸入)と飲み水(経口)を介してラットに与え経過を観察したもの。
 調査結果としては4物質のうち特にクロロホルムについて大気、水両方を介して与えた場合の腫瘍発生数が、どちらか一方を介して与えた場合の合計より顕著に増加することが判明。複合摂取で影響が強まる可能性があることがわかった。
 また、平成8年に開始された複数の化学物質の複合的な影響を調べる調査は、全国5地区の大気、河川水、土壌からそれぞれ540検体を採取。各検体のサルモネラ菌のDNA塩基配列損傷度を調査し、損傷度が大きい地点で原因物質の分離・同定を行ったもの。
 この調査の結果では、大気から採取した全検体、河川水から採取した検体の89%、土壌から採取した検体の98%で何らかのDNA塩基配列の損傷が認められ、このうち損傷度が高い検体が採取された河川水からはアゾ染料由来であると予想されるフェニルベンゾトリアゾール誘導体やPCB様物質が分離・同定されたほか、同じく損傷度が高い検体が採取された土壌からはディーゼル排ガスや焼却施設から発生するとされているニトロアレーンが検出された。
 ただし大気については、原因物質を特定するための多量の大気試料の採取が技術的に困難であるため、今回までの調査では物質の特定を行わなかった。
 なお環境省ではこれらの調査を引き続き実施していく予定であるほか、複数経路で化学物質を摂取した場合ののリスク評価手法の開発にも着手する方針だ。【環境省】

情報提供のお願い(企業・自治体の方へ)

記事に含まれる環境用語

プレスリリース

関連情報

関連リンク