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環境ニュース[国内]

「電波による脳内微小血管への影響なし」との実験結果を公表

健康・化学物質 その他(健康・化学物質)】 【掲載日】2003.12.12 【情報源】総務省/2003.12.12 発表

 総務省は平成15年12月12日、同省の生体電磁環境研究推進委員会が人が携帯電話を使用している状況に似せて実施したラットを使っての実験で、「電波による脳内の微小血管の血管径、血流速度への影響は認められないとの結果が出た」と発表した。
 この実験は(1)新開発のループアンテナを使用し、ラット頭部の一部を電磁波にさらし、(2)ラット頭部に埋め込んだ特殊な透明窓を通じてラット脳内の微小血管の血管径、血流速度の変化を監視したもの。
 13年1月にまとめた中間報告時の実験ではラットの全身が比較的強い電波にさらされる条件となっていたが、今回の実験の全身平均SAR(注1)は従来のアンテナに比べて2分の1未満となり人が携帯電話を使う環境により近づいた。
 周波数1,439GHzの電磁波を麻酔中のラット頭部に3つの強度で10分間ばく露した結果では、脳関門機能、白血球挙動、血管径、血漿速度いずれにも変化が認められなかったほか、麻酔していないラット頭部を週5日1日1時間ずつ4週にわたって電磁波にさらした結果でも、脳関門機能は変わらなかった。
 ただし後者の実験では血漿速度が2週後に一時的に増加し、白血球の粘着性が2週目から4週目にかけて減弱するなどの変化が報告されている。この点について委員会は「生理的変動の範囲内であり、脳微小循環動態の病態生理的変化と反対方向にある」とコメントしている。

(注1)比吸収率。任意の10gあたりの生体組織に6分間に吸収されるエネルギー量の平均値。【総務省】

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