一般財団法人環境イノベーション情報機構

ヘルプ

サイトマップ

メールマガジン配信中

環境ニュース[国内]

欧州委員会 水銀汚染対策戦略を提案 2011年までに水銀の輸出を禁止へ

健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2005.02.16 【情報源】/2005.01.31 発表

 欧州委員会は、1月31日、水銀汚染に取り組むための包括的な戦略を提案した。
 大量の水銀及びその化合物の摂取は、生命を脅かしうるが、比較的少量でも神経系統に深刻な害をもたらす。魚など、国際的に認められた安全レベルを超えている分野では、水銀汚染が、未だに欧州市民の一部の健康に影響を及ぼしている証拠がある。一方で、世界中で水銀の需要は高いままで、EUは主要な供給者でもある。
 この戦略は、EU及び世界全体で、水銀の排出・使用を削減するための一連の行動を示すもので、2011年までに、EUの水銀輸出を段階的に廃止することも盛り込まれている。また、産業界で不要とされた水銀の安全な保管についても取り組む。具体的には、以下のような目標及び行動が盛り込まれている。
●2011年までに水銀の輸出を禁止すること。
●地球規模の行動: 水銀の貿易、排出及び金の採掘のような活動における使用を管理するため、他国と協力し、国際的な行動にインプットを行う。
●EUでの需要を削減: 水銀を含む測定器具(例えば体温計)の流通を制限する。残りの用途(例えば歯科におけるアマルガム)については、さらに調査する。
●EUでの余剰に対応: 産業界で不要となった水銀は安全に保管する。既に社会に出まわっている水銀(例えば、未だ利用されている古い製品)について、さらに調査をする。
●EUでの排出を削減する: 現行EU法規の効力を見直す。加盟国における一層の排出削減を支援するため、情報を提供する。石炭燃焼からの発生を制御するための研究を行う。
●EUにおける曝露からの保護: 子供及び妊娠可能年齢の女性のために、食品からの曝露について、さらに調査する。食品中の水銀に関する追加的なアドバイスを提供する。
●理解の促進 水銀にする知見のギャップを埋めるための研究

 同戦略は、欧州閣僚理事会及び欧州議会に提出される。また、この戦略は、2月に開催されるUNEP管理理事会で、水銀に関する国際的な検討を行う際に、EUのポジションの基礎となる。
 なお、この戦略自体は法的な提案を含むものではなく、水銀輸出の段階的な廃止や水銀を含む測定機器の流通規制といった提案を進めたいという欧州委員会の意思を表明したものである。今後、これらに関する具体的な素案を策定する予定である。【欧州委員会環境総局】

情報提供のお願い(企業・自治体の方へ)

記事に含まれる環境用語

プレスリリース

関連情報

関連リンク