EU、今後10年間で生物多様性の損失を阻止するための戦略を公表

【自然環境 生物多様性】 【掲載日】2011.05.19 【情報源】EU／2011.05.03 発表

　欧州委員会は、欧州連合域内の生物多様性の損失を今後10年以内に阻止するための戦略を公表した。戦略には、生物多様性の損失の阻止と欧州連合域内の自然や生態系サービスに対する負担を削減するための6つの目標とそれに伴う次の対策が含まれている。
●生息空間と種の維持状況を本質的に改善するため、自然保護に関する既存の規則と自然保護ネットワーク「Natura2000」の完全な実行。
●生態系と生態系サービスを、特にグリーンインフラストラクチャーの利用の強化を通じて改善、再生。
●農業と林業における持続可能性の確立。
●欧州連合域内における魚資源の維持と保護。
●欧州連合域内の生物多様性損失の要因となっている外来種の削除。
●地球規模での生物多様性損失を阻止するための共同アクションへの欧州連合の貢献の強化。
　戦略は、2010年3月に欧州連合加盟国の代表によって承認された目標「2020年までに欧州連合域内の生物多様性喪失の阻止」と「2050年までに生態系サービスの価値の再生」を実行することを目的に策定されたもの。また、2010年10月に名古屋で開催された生物多様性条約第10回締約国会議で定められた、今後10年間に生物多様性損失を世界規模で阻止するための対策パッケージにも対応するもの。【欧州委員会環境総局】