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海洋無酸素化 環境用語

作成日 | 2017.07.18  更新日 | 2017.07.20

海洋無酸素化

カイヨウムサンソカ   【英】Oceanic Anoxic Events  [略]OAEs  

解説

有機物が微生物によって分解される際、下式に従って酸素が消費される。

C6H12O6+6O2 → 6CO2 + 6H2O

そのため、有機物量が多く酸素の供給が少ない環境では酸素が消費し尽くされて無酸素状態となる。かつて、工業廃水や家庭排水などを処理せずに湾などの閉鎖的な海域に廃棄した結果、これらの排水中に含まれた大量の有機物により海水中の酸素が消費され、無酸素状態となり深刻な問題となった。無酸素状態すなわち嫌気的な状態となり、硫化水素メタンなどが発生し、悪臭を放ち、多くの生物が生育できなくなった。その後、排水処理などが徹底され、有機物の放流は減ったが、栄養塩などの処理がまだ十分ではなく、植物プランクトンが大発生する赤潮の発生が問題となった。大発生した植物プランクトンが海底のくぼみなどに大量に溜まると、同様に微生物の分解に伴い、大量の酸素を消費することから、無酸素水塊が生じ、海水中の硫酸が硫黄までに還元されてします。これが沿岸域に湧昇すると硫黄粒子に反射した光が青く見える青潮状態となる。この水塊は無酸素水であるので、これにさらされた生物は甚大な被害を受ける。(2017年7月作成)

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