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環境ニュース[国内]

三菱重工業、CO2回収・貯留機能を備えた石炭ガス化複合発電の設計を米国で受注

エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2012.06.05 【情報源】企業/2012.05.31 発表

 三菱重工業は、CO2回収・貯留(CCS)機能を備えた石炭ガス化複合発電(IGCC)設備建設プロジェクトの基本設計を米国で受注し、業務を始めた。CCS機能を持つ商業規模のIGCC発電所の建設は世界で初めてという。米国エンジニアリング大手との共同受注で、発電所は、米国の開発事業者がカリフォルニア州中南部の都市、ベーカーズフィールドに建設する。

 回収したCO2は、肥料の生産と、原油の増産を可能にする原油増進回収に利用する。プロジェクトでは、米国で豊富に産出される石炭をガスにして発電する高効率のIGCCと、石炭ガスから肥料を製造する肥料プラント、原油増進回収を合わせた複合プラントを造る。2013年3月まで基本設計を行い、設計・調達・建設の契約は2013年半ば。完成は2017年末を予定している。

 IGCCは、炉の中で細かな粉にした石炭をガス化し、複合発電と組み合わせて発電する仕組み。複合発電はコンバインドサイクル発電とも呼ばれ、ガスタービンでの発電に加え、その高温排ガスを使って蒸気タービンでも発電するシステムで、従来の石炭火力発電と比べて発電効率が高く、CO2排出量が削減できる。硫黄酸化物窒素酸化物、煤煙などの排出量も抑えられる。

 三菱重工の技術が評価され、基本設計を受注した。回収したCO2は、肥料の生産用にアンモニアと合成して尿素合成の増産に使うとともに、生産性が落ちた油層に強い圧力で送り込み、原油の生産量を増やす。基本設計に続いてこのプロジェクトの設計・調達・建設の契約も目指し、CO2削減に大きな効果があるIGCCとCCS技術の世界市場への投入に向け、積極的に展開していく。【三菱重工業(株)】

提供:ECO JAPAN(日経BP社)

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