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環境ニュース[海外]

国連環境計画、持続可能な発展への新たな指標「包括的な豊かさの指標」(IWI)を公表

環境一般 調査/研究】 【掲載日】2012.06.29 【情報源】国連/2012.06.17 発表

 国連環境計画(UNEP)は、通常用いられる国内総生産(GDP)等では測れなかった、自然資源や人的資本などを含めた国の資産全体を測る「包括的な豊かさの指標」(IWI)を、2012年6月17日に発表した「包括的な豊かさに関する報告書」で明らかにした。UNEPと国連大学(UNU-IHDP)が共同で作成したこの報告書では、ブラジル、中国、エクアドル、ドイツ、インド、日本、アメリカなど20カ国の、1990年から2008年までの「包括的な豊かさ」の変化を評価した。これら20カ国は、各大陸から、高・中・低所得の国々を選んだもので、あわせて世界人口の56%、世界GDPの72%を占めるという。
 報告書によると、中国、アメリカ、南アフリカ、ブラジルは、GDPでは大きく成長しているが、化石燃料や森林、漁業等、再生可能資源・再生不可能資源の合計である自然資源基盤を大きく減少させており、これらを含めたIWIでみると、わずかな成長にとどまっていることがわかった。20カ国のうち、自然資本が減少しなかったのは、森林被覆が増えた日本だけであったという。ロシア、サウジアラビア、南アフリカ等6カ国では、IWIは下降しており、持続不可能な発展路線にあるといえる。
 IWIは多くの国で上昇したが、自然資源には鉱物資源など再生不可能な資源も多く含まれている。報告書は、将来世代への遺産を守るため、より包括的な富の定義が緊急に必要であるとしている。【国連環境計画

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