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環境ニュース[国内]

東レ、環境配慮型バイオマス樹脂で植物由来比率を高めた「高植物度グレード」開発

エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2012.08.31 【情報源】企業/2012.08.28 発表

 東レは、環境配慮型のバイオマス生物資源)樹脂製品「エコディア」で、植物由来のデンプンを原料にしたポリ乳酸樹脂の比率を50%以上に高めた「高植物度グレード」を開発した。9月に電子製品、OA(オフィスオートメーション)機器向けに販売を始める。2012年度に100t、2015年度には年間1000tの販売を計画している。比率を高めながら実用性を確保した。

 これまでの樹脂製品は、強度などに問題が出るため、ポリ乳酸樹脂の比率は30%までにとどまっていた。東レは今回、家電製品や自動車に使用されるABS樹脂を組み合わせ、50%以上の比率でポリ乳酸樹脂を使用しても強度、耐熱性、成形性で問題のない樹脂を実現した。バイオマス樹脂の特長を一層打ち出し、各国のグリーン調達法への対応が必要な製品での採用を見込む。

 ポリ乳酸樹脂は、温室効果ガスの発生を抑制するバイオマス樹脂として注目されている一方、成形加工がしにくく、長期間使用するには耐久性、耐熱性、強度で他の樹脂に劣る欠点があった。東レは樹脂の分子構造を制御する技術を活用し、ABS樹脂をポリ乳酸樹脂の中に均一に分散させ、ポリ乳酸樹脂比率を高めても従来と同等の特性を維持することに成功した。

 環境配慮型の樹脂でありながら、ABS樹脂と同等の時間や温度で成形できることが最大の利点となる。他社の競合製品の金型温度が90℃で成型時間も長いのに対し、ABS樹脂と同等の40〜60℃の金型で成形でき、成形時間も短い。衝撃や熱に対する強度も十分確保されるという。東レは、バイオマス由来材料素材を活用した製品開発の取り組みを加速させている。【東レ(株)】

提供:ECO JAPAN(日経BP社)

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