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環境ニュース[国内]

NEC・積水化学など、次世代のリチウムイオン電池を開発、エネルギー密度が1.7倍

エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2013.10.03 【情報源】企業/2013.10.01 発表

 NEC、積水化学工業と、電池材料を手掛ける田中化学研究所は、独立行政法人の産業技術総合研究所と共同で次世代のリチウムイオン電池を開発した。正極に新しい材料を使ってエネルギー密度を向上させる。電気自動車(EV)など環境対応車の航続距離を伸ばすほか、定置用蓄電システムの小型軽量化が可能になる。2020年ごろの実用化を目指す。
 正極の新たな材料としてリチウム鉄ニッケルマンガン酸化物を開発し、安価な炭酸リチウムを原料に使用する独自の合成手法を確立した。リチウム鉄ニッケルマンガン酸化物は、層状岩塩構造と呼ぶ結晶構造を持つ酸化物で、この正極材料は、現在実用化されているリチウムイオン電池の正極材料の約2.2倍となる1gあたり247mAhの容量密度がある。
 新しく開発した正極材料の性能を引き出すため、炭素素材を使った酸化シリコン系の負極も新たに開発した。新しい正極に合わせて組成を最適にすることができ、電池のエネルギー密度を高められる。加えて、高電圧耐性の高い素材を含む電解液を開発し、新しい正極を使用したリチウムイオン電池を最高4.5Vまで充電して安定した動作を確認した。
 開発した正極、負極、電解液で8Ahクラスのセルを試作したところ、従来のリチウムイオン電池の約1.7倍となる1kgあたり271Whのエネルギー密度を実証した。独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援で行った研究の成果となり、今後実用化に向けて信頼性や安全性などの課題解決に取り組んでいく。【日本電気(株)】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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