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環境ニュース[国内]

王子ホールディングス、絶滅危惧種イトウの保護活動で安定した個体数を確認

自然環境 野生動植物】 【掲載日】2014.11.12 【情報源】企業/2014.11.07 発表

 王子製紙を傘下に持つ王子ホールディングスは、北海道猿払村の社有林とその河川域に生息する絶滅危惧種淡水魚、イトウの保護活動を展開している。このほど、独立行政法人国立環境研究所の生態調査によって安定した個体数の維持が確認された。同村を流れる猿払川の支流の上流域で2013年と2014年の2シーズン調べ、それぞれ335尾、425尾を数えた。
 イトウは国内最大のサケ科の淡水魚で、かつて北海道と東北地方の40数河川に生息した記録があるが、大規模な農地開発に伴う河川改修によって現在は猿払川など北海道のわずかな河川でしか確認されていない。王子ホールディングスは現地保護団体、行政、研究者らと2009年に「猿払イトウ保全協議会」を設立して保護活動を続けている。
 猿払イトウ保全協議会は、猿払川の水辺の森を豊かに保つことでえさになる昆虫や小魚を増やすとともに、イトウが隠れ家にする倒木を供給しているほか、シンポジウムや環境教育を手掛ける。王子ホールディングスは、猿払村の社有林1万7290haのうち2660haを環境保全区にして伐採を自粛し、川の両岸から幅30mの河畔林を保全している。
 国立環境研究所の生態調査は2013年、2014年とも4〜5月の約1カ月間、産卵のために遡上するイトウの親魚を音響ビデオカメラで連続撮影した。猿払川全域には調査した河川の約3倍の産卵場があると考えられ、流域全体で1000〜1250尾のイトウ親魚が生息すると推定した。王子ホールディングスは保護活動が成果を結びつつある、としている。

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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