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環境ニュース[国内]

東電、福島第一2号機ポンプのインバータ故障について原因・対策報告書を提出

エネルギー 原子力】 【掲載日】2004.11.01 【情報源】原子力安全・保安院/2004.10.29 発表

 平成16年9月に福島第一原発2号機(沸騰水型、定格電気出力78万4,000キロワット)で、2台ある原子炉再循環ポンプ(注1)のうち1台を制御しているインバータ(注2)の重故障を示す警報が鳴り、続いてもう1台の原子炉再循環ポンプについてもインバータ軽故障と再循環系制御盤故障を示す警報が発生した件で、東京電力は16年10月29日付けで原因と対策に関する報告書を原子力安全・保安院に提出した。
 報告によると、最初の警報は実際にインバータに故障が発生したことが原因となったもので、2回目以降の警報は、最初の警報で一方のポンプが自動停止し原子炉出力降下、原子炉給水流量が低下したことに反応して警報が発生したもの。
 またインバータの故障の原因は、制御基板内部品GTOオフ用パワートランジスタ(注3)の製造時に偶然発生した絶縁不十分箇所が使用中に進展、ショートし主回路部品GTO(注4)を傷つけたためと推定された。
 さらに再発防止策としては(1)損傷が確認されたGTOオフ用パワートランジスタ1個とGTO2個の新品への交換、(2)損傷したGTOオフ用パワートランジスタと同一ロットの部品、GTOオン用パワートランジスタの新品への交換、(3)より厳しく品質管理したGTOオン・オフ用パワートランジスタの使用−−があげられ、原子力安全・保安院としてもこの内容を妥当とした。

(注1)原子炉圧力容器の中の冷却水を循環させるポンプ。
(注2)直流電源を所定の周波数の交流電源に変換する装置。これにより、原子炉再循環ポンプを駆動する電動機の回転数を制御し原子炉冷却材の流量調節を行う。
(注3)パワートランジスタは大電流を高速で入り切りできるトランジスタで、今回事故があった装置ではGTOに加える信号のオン・オフ制御に使用していた。
(注4)ゲート ターン オフ サイリスタの略。半導体の一種でスイッチの役目があり、信号を加えることで電流を入り切りできる機能を持つ。【原子力安全・保安院】

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