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環境ニュース[海外]

生物多様性条約のブッシュミート連絡グループ会合、野生動物の捕獲・取引の管理強化に向け勧告を採択

自然環境 野生動植物】 【掲載日】2011.06.24 【情報源】その他/2011.06.10 発表

 生物多様性条約事務局とワシントン条約絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)事務局は、合同でブッシュミート連絡グループの第2回会合を開催し、ブッシュミートの狩猟と取引の規制を強化する勧告を採択した。
 ブッシュミートは、熱帯林・亜熱帯の野生動物で、食用のほか、医薬品等食用以外の目的でも狩猟や取引の対象となっている。野生動物が食料であり輸出品である地域では、これを持続可能な方法で管理しなければ、食料供給も国の経済も早晩成り立たなくなる。こうした動物が生態系の中で果たす機能、たとえば種子の運搬なども失われ、熱帯林が維持できなくなる恐れもある。
 現在、こうした動物の乱獲と違法取引は増大しており、周辺の地域住民や先住民社会にとっての生活の糧を奪うとともに、生物多様性が減少し、脆弱な熱帯の森林生態系をさらに不安定にしている。近年では、地域社会や先住民社会による、生活のための正当な狩猟に代わって商業的な狩猟と取引が増えているといい、国際取引だけでなく、国内でも、森林地域と都市部との間で食用としてのブッシュミート取引が増大している。
 2011年6月7日から10日まで開催された今回の会合には、各国政府、国連機関、国際機関、先住民や地域社会団体等、43の機関から約55人が参加し、従来の取組では問題の解決にならないことを認め、国際社会、各国政府その他関係者に向けて、新たな勧告を採択した。勧告の中心は、
1)地域共同体の管理等、改良型野生生物管理方法(管理下での野生動物の狩猟区域、ハンティング・ツーリズムなど)の実施
2)ミニ畜産業(小型野生動物を飼育する小規模農場)の推進
3)非木材森林産品の持続可能な収穫支援(養蜂等)。
の3点で、このほかに土地保有権・アクセス権の明確化、ブッシュミートの捕獲と取引の監視、法の執行等の必要も認識された。
 会合は、ナイロビの国連環境計画の事務所において欧州委員会の支援の下に開催された。【生物多様性条約事務局(CBD)】

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