タイマイ

は虫類カメ目ウミガメ科。一般には本種を含めウミガメ類を総称して（種を区別せず）単にウミガメと呼ぶことが多い。甲羅の長さは約80cmほど。カイメン類やホヤ類、海藻類などを食す雑食性の海棲カメ。太平洋、大西洋、インド洋の主に南北30度より低緯度の熱帯海域に広く分布している。日本では南西諸島付近に生息し、太平洋での分布北限となっている。

産卵場は、黒島、石垣島、多良間島、水納島（先島諸島）、宮古島、阿嘉島、座間味島、沖縄島、水納島（沖縄諸島）で確認されている。

世界的に乱獲やトロール漁法による混獲等により、生息数が減少しているとされる。環境省のレッドデータブックでは、絶滅危惧IB類（EN）。ワシントン条約の適用により国際取引が禁止され（附属書Iに掲載）、種の保存法（1992）では国際希少野生動植物種に指定されている。

本種の甲羅はベッコウ細工の原料としての需要が高く、日本ではワシントン条約の適用を留保して輸入を続けてきたが、1992年末をもって輸入禁止とした。剥製用や細工用の材料として、国内産のタイマイの捕獲増大が懸念されている。