一般財団法人環境イノベーション情報機構

ヘルプ

サイトマップ

メールマガジン配信中

環境ニュース[国内]

世界初 民間航空機を活用した二酸化炭素定期観測に成功

地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2005.12.28 【情報源】国立環境研究所/2005.11.30 発表

 独立行政法人国立環境研究所の町田敏暢主任研究員が、日航財団、気象研究所、東北大学、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、(株)ジャムコ、(株)日本航空と行っている共同研究の中で、民間定期航空機に二酸化炭素連続測定装置を搭載して定期観測を行う世界初の試みに成功した。
 航空機を利用した大気中の二酸化炭素濃度観測例としては、日本航空、日航財団、気象研究所が1993年から月に2回の頻度で実施していた、日本−オーストラリア間の大気サンプリング法による温室効果気体観測があるが、地上での観測例に比べると数は少ない。
 今回の共同研究は、日航財団が03年度に国環研、JAXAなどを加えた研究グループを新たに組織し、文部科学省の科学技術振興調整費による研究として実施しているもので、研究のために、民間航空機に搭載可能な二酸化炭素濃度連続測定装置と改良型自動大気サンプリング装置を新たに開発した。
 二酸化炭素観測の空白域の1つである東アジア・東南アジアでのデータを定常的に得られること、先行例がなかった熱帯域での直分布の通年観測が初めて実施されることなどから、大陸別の二酸化炭素吸収・放出量の推定精度向上、地球上の二酸化炭素循環への理解に役立つと期待されている。
 完成した観測装置を搭載した航空機は05年11月5日から運航を開始し、11月8日に初データを回収。データからは、成田、ジャカルタ、バンコック、北京上空での二酸化炭素濃度の直分布や、各都市間の高度10〜12キロメートル地点での水平分布が明らかになったが、濃度のばらつきが非常に小さく、観測の精度が高いことが示された。
 また、空港周辺では人間活動の影響で二酸化炭素濃度が高くなること、成田では地表に近いほど濃度が高くなるのに対し、大気の対流が盛んな熱帯のジャカルタでは濃度が上下方向に均一であること−−などの結果が得られたという。
 なお、この共同研究は06年度から環境省地球環境保全等試験研究費により定常観測に移行する見込み。【国立環境研究所】

情報提供のお願い(企業・自治体の方へ)

記事に含まれる環境用語

プレスリリース

関連情報

関連リンク