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環境ニュース[海外]

中国 畜産公害が農村環境を汚染

ごみ・リサイクル 産業廃棄物】 【掲載日】2007.05.17 【情報源】中国/2005.09.26 発表

 近年、湖南省双峰県の養豚産業が同県の農村経済の大きな部分を占めるが、農民の収入増加を進めると同時に環境汚染も深刻化している。
 2004年、同県の肉出荷用のブタ数188万頭、その生産額は15.2億元で、地域の総生産額の58%を占める。現在、ブタの専業飼育世帯は8917戸あり、ブタ全頭数の43.3%を占める。同時に、豚肉加工やブタ皮加工などの中小企業が20ほどあり、その総生産額は3億元。養豚産業が農民の増収に大きく貢献している。
 しかしその一方で汚水による畜産公害も深刻化してきている。関連資料によると、1頭の大ブタは1日3kgのフンを出し、汚水10kgを出す。推算によると、同県には常に35万頭のブタがおり、年間のブタフンが40万トン、年間の汚水量が130万トンとなる。養豚産業の大規模化、集約化、専業化に伴い、ブタの糞尿や各種排水が大量に集中し、畜産公害が発生している。一つの畜産場が一つの環境汚染源となり、農村飲料水の水質悪化、土壌汚染、空気汚染、病原菌拡大の原因となっている。
 第一に周辺の水環境を汚染する。畜産場の糞尿汚水はごく一部が耕地や菜園に流れ、大部分は河川や付近の池に流れ込み、地下にしみこむ。モニタリング結果によると、養豚場廃水のCODは基準を72%超過し、アンモニア窒素濃度も基準を65%超過、大腸菌群は基準を100%超過し、その濃度は国家基準限界値の数十倍から数百倍になることもある。
 第二に周囲の空気を汚染する。ブタ糞尿中に大量の炭水化物が含まれ、腐食、発酵して大量の悪臭を放つ。
 第三に土壌を汚染する。発酵処理せずに直接、農場や菜園にまかれた場合には、病原菌や寄生虫卵が含まれ、土壌中で繁殖し、伝染拡大の可能性がある。
 このような家畜糞尿による汚染拡大の主要原因は二つあり、第一に養豚場建築が無秩序に行われていることである。全体整備計画もなく、また環境保護部門にも報告していないし、生活飲料水水源地保護地区内にも無断で建設が進んでいる。第二に汚染対策が不十分であることである。大部分の養豚場は規模が小さく技術力が低く、所有者の環境意識も低い。汚染対策に資金を投じる意欲もない。
 今後このような状況に対し、広報活動と法的執行力の強化、循環経済の理念普及などで糞尿や農業廃棄物の有効利用、総合利用を進めていくことが有効である。【中国環境報】

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