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環境ニュース[国内]

日本製紙、新しい木質バイオマス固形燃料を開発、石炭ボイラーでの混焼率が約10倍

エネルギー バイオマス】 【掲載日】2013.04.05 【情報源】企業/2013.04.03 発表

 日本製紙は、新しい木質バイオマス固形燃料を開発した。トレファクションと呼ぶコーヒーのばいせんに似た半炭化技術を活用した。八代工場(熊本県八代市)で石炭との混焼試験を実施し、石炭を粉状にして噴出させて燃焼する微粉炭ボイラーでバイオマス固形燃料の混焼率が25%と、従来の約10倍になることを確認し、操業・燃焼性に問題はなかった。
 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「戦略的次世代バイオマスエネルギー利用技術開発事業(実用化開発)」として開発した。比較的低温で木質バイオマスを炭化させることで、通常の炭化より熱量を残すことができるトレファクションで実現した。トレファクションは処理温度の厳格な管理が求められ、実用化が課題になっていた。
 トレファクションによって通常の炭化では半分以下しか残らない熱量を約9割残すことができるうえ、粉砕性、耐水性が向上し、微粉炭ボイラーでのバイオマス混焼率を高められる。微粉炭ボイラーは、近年の石炭火力ボイラーの主流で、石炭を粉状にして燃焼効率を高める。木質バイオマス燃料を混焼するには、石炭と同じように粉状にする必要がある。
 環境負荷低減を目的に石炭と木質バイオマス燃料の混焼が進む中、木質バイオマス燃料を効率的に粉砕できないことや、屋外で保管する際の耐水性などの問題から、微粉炭ボイラーでの混焼率は2〜3%程度にとどまっていた。日本製紙は今回開発したバイオマス固形燃料の製造工程の改良と実証を進め、さらに高効率の次世代バイオマス燃料の開発を続ける。【日本製紙(株)】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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