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環境ニュース[国内]

伊藤忠商事、出資する米国会社が地熱発電所のかん水で炭酸リチウム製造に成功

エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2013.10.16 【情報源】企業/2013.10.11 発表

 伊藤忠商事が出資する米国のリチウム資源開発会社、シンボルが、地熱発電所で排出される地熱かん水(塩分を含む水)からリチウムを回収し、リチウムイオン電池の主要材料になる高純度の炭酸リチウムの製造に成功した。世界で初めてという。2013年度末までに製造設備の建設を始め、2015年度に商業生産を始める予定だ。
 炭酸リチウムはリチウムイオン電池の正極材製造に不可欠で、電解液の中の電解質製造にも使われる。リチウムイオン電池は電気自動車(EV)など環境対応車用途で拡大が見込まれ、炭酸リチウム換算で年間約15万tの需要が、2017年には25万t以上になると予想されている。炭酸リチウムは現在、南米の塩湖由来が約7割を占める。
 シンボルが開発した製法だと、高温の地熱かん水の利用によってCO2排出を抑えるとともに、エネルギーコストが削減できる。今回、カリフォルニア州の試験プラントで、純度99.9%を超える炭酸リチウムの製造に成功した。技術検証を重ねて正極材メーカーなどにサンプル提供したうえで、年産1万5000tの製造設備1号機を造る。
 地熱かん水からの炭酸リチウムの製造成功を受け、増設が計画される地熱発電所にこの技術を導入することで、生産能力やコスト競争力の向上が期待できる。伊藤忠はシンボルが生産する炭酸リチウムなどリチウム化合物に関し、日本、中国、韓国などアジア地域での総販売代理店権を取得していて、リチウム資源の安定供給を図る。【伊藤忠商事(株)】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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