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環境ニュース[国内]

日立プラントサービス、工場廃水処理で微生物による高速窒素除去の初号機が稼働

水・土壌環境 水質汚濁】 【掲載日】2014.02.12 【情報源】企業/2014.02.06 発表

 日立製作所の100%子会社で空調設備や水処理装置などを手掛ける日立プラントサービスが納入した、高速窒素除去システムが稼働を始めた。微生物「アナモックス菌」による先進の工業廃水処理システムの初号機で、国内大手化学メーカーの工場に設置された。効率的に処理でき、ランニングコストを低減するとともに省スペースを可能にする。
 この廃水処理システムは廃水中の窒素成分をアナモックス菌で取り除く。窒素成分は、水域の栄養状態を高めて生態系に影響を与える富栄養化の原因物質のため、規制対象になっている。アナモックス菌は薬品を使うことなく窒素ガスが生成でき、処理速度が速い特長がある。納入したシステムはアナモックス菌を使うシステムで国内最大級となる。
 廃水中の窒素の処理は、アンモニアを硝化菌で硝酸に酸化させる工程と、その硝酸を薬品で窒素ガスに変換する工程による「生物学的硝化・脱窒法」と呼ぶ方式が一般的だ。一方、アナモックス菌を使う方法は、菌がアンモニアと亜硝酸から直接窒素ガスを生成し、窒素ガスへの変換工程で薬品を不要にするうえ2倍の速度で処理できる。
 従来方式のシステムと同等の窒素除去性能を持ちながら、ランニングコストを70%低減し、約60%省スペース化できる。日立が開発したシステムの高い窒素除去性能、安定性と、維持管理が容易な点などが評価された。初号機の稼働を弾みに、化学、半導体などアンモニアを使う各種工場の廃水処理向けに積極的に販売する。【(株)日立製作所】

提供:日経bp環境経営フォーラム(EMF)

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