伊藤忠商事、インドでLPガスの供給事業に参画、子会社を通じて事業会社株式を取得

【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2014.11.20 【情報源】企業／2014.11.17 発表

　伊藤忠商事は、インドでLP（液化石油）ガスの供給事業に参画する。石油関連分野を手掛けるシンガポールの100％子会社を通じ、LPガスの供給事業を行うAGI（シンガポール）の株式40％を585万ドル（約6億円）で取得する。AGIはインドのLPガス・石油製品販売会社、イージスの100％子会社で、このほど合意して契約を結んだ。
　イージスはインドのLPガス最大需要地、ムンバイ市に本社があり、同市のほか同国各地にLPガス、石油製品、化学品の受け入れ基地を保有する。AGIはイージスのLPガス受け入れ基地向けを中心に年間70万t以上のLPガスを供給している。伊藤忠はAGIの株式を取得することで、同国向けLPガスの取扱量を拡大する。
　北米のシェールガス由来のLPガス輸出が増加していることから、2013年実績で6400万tある世界のLPガス海上物流量は今後、大幅に増えると予想される。インドの年間需要量は約1600万tで、米国の5100万t、中国の2600万tに次ぎ、日本と並んで世界3位だが、政府のクリーンエネルギー政策もあって伸びている。
　2020年には2400万tを超える年間需要量が予想される。伊藤忠は日本、韓国、フィリピン、インドネシア、タイ、マレーシアなど向けのLPガス供給に関する物流を構築し、既に年間約500万tを扱っている。インドは確実な需要と輸入量の増加が見込まれ、AGIによって同国市場に関わってLPガス関連事業の強化を目指す。【伊藤忠商事(株)】