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環境ニュース[国内]

国環研と宮崎大学、長期的な温暖化が土壌有機炭素分解による二酸化炭素排出量を増加させることを検証

地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2016.10.26 【情報源】国立環境研究所/2016.10.24 発表

 国立環境研究所と宮崎大学は、共同で行っていた6年間の長期的な温暖化操作実験による実験から、土壌有機炭素の分解により発生する二酸化炭素の排出速度が、1℃当たりの昇温で7.1〜17.8%(平均9.4%)増加しており、この温暖化による増加率の年々変動と、夏季の降水量の間には正の相関が見られたとの研究成果を発表した。

 地球規模の土壌呼吸は、2008年の時点で年間約3,593億トン(二酸化炭素換算)と推定されており、そのうち微生物呼吸は約7割を占めるとも言われている。この微生物呼吸量は人為起源の二酸化炭素排出量の約10倍にも相当し、地球温暖化によって微生物呼吸量が増加し、さらに温暖化に拍車をかけるという悪循環が想定されていたが、微生物呼吸に対する温暖化の長期的な影響を示す実測データは非常に限られていた。
 今回、国立環境研究所地球環境研究センターで独自に開発した観測システムを宮崎大学の敷地内に設置し、土壌から排出される二酸化炭素の長期観測を行った観測結果から、温暖湿潤な環境において長期的な温暖化が微生物呼吸に与える影響を評価した結果、6年間の観測期間を通して、温暖化の微生物呼吸に対する促進的な効果(温暖化効果)が確認された。この研究結果は、今後アジアモンスーン地域における降水量が増えれば、土壌有機炭素の分解に伴う二酸化炭素の排出速度は、温暖化によってさらに促進されることを示唆するとしている。【国立環境研究所】

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