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環境ニュース[国内]

運用断念の人工衛星「みどり2」、03年南極上空のオゾン層破壊観測に成功していた

地球環境 オゾン層】 【掲載日】2006.06.15 【情報源】国立環境研究所/2006.06.15 発表

 故障により2003年に運用を断念した人工衛星「みどり2」が搭載していたオゾン層観測センサ「ILAS−2」の観測データを、独立行政法人国立環境研究所が解析したところ、南極上空のオゾン層破壊のようすやオゾン破壊を促進する極成層圏雲のようすが詳細に捉えられていたことが、06年6月15日付けの国立環境研究所の発表で判明した。
 「ILAS−2」が運用されていたのは、03年4月から「みどり2」が故障で停止する03年10月末までの約7か月間のみだったが、たまたまこの期間中に、史上最大規模だった03年の南極オゾンホールが出現していたため、その出現から縮小までのほぼ全期間にわたる観測に成功していたという。
 今回の発表によると、「ILAS−2」の観測データには、南極上空で活性塩素による化学的オゾン破壊量が03年8月中旬から増加し始め、03年10月初旬までに、高度15〜18キロメートルのオゾンがほぼすべて化学的に破壊されていたことが記録されていた。
 またオゾンホールの引き金となる極成層圏雲が03年の南極上空で発生した際の条件や組成が世界に先駆けて把握され、βタイプ硝酸三水和物が主体だった極成層圏雲が、気温が低温化していくにつれ、LTA(硝酸と硫酸と水との三成分系液滴)、NAW(硝酸水)、ICE(氷晶)へと組成が移り変わっていくことなどもつきとめられた。
 これらの研究成果は11本の論文にまとめられ、アメリカ地球物理学連合発行の科学雑誌『Journal of Geophysical Research』06年6月16日号(ILAS−2特集号)などに掲載されている。【国立環境研究所】

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