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エコチャレンジャー

環境問題にチャレンジするトップリーダーの方々との、ホットな話題についてのインタビューコーナーです。

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エコチャレンジャー

環境問題にチャレンジするトップリーダーの方々との、ホットな話題についてのインタビューコーナーです。

目次
中間貯蔵施設の整備が今年最大の課題
COP19の決定を受け、今年1年かけて2020年以降の目標の議論を精力的に行う
この3月のIPCC総会を、国民的議論が活発化するための重要なきっかけにしたい
【1】谷津さんへの前回インタビュー
 エコチャレンジャー第13回(2013年1月)における、谷津さん(当時、環境省地球環境審議官)のインタビュー。
http://www.eic.or.jp/library/challenger/ca130111-1.html
【2】適応策
 温暖化対策は大きく緩和策と適応策に分けられ、緩和策は温暖化自体を抑える対応策を、適応策は一定程度の温暖化を前提にその影響を抑える対応策を指す。エコチャレンジャー第24回(2013年12月)における三村信男・茨城大学教授へのインタビュー記事は、適応策および横浜で開催予定のIPPC総会が主な内容。
http://www.eic.or.jp/library/challenger/ca131210-1.html

No.025

Issued: 2014.01.16

第25回 谷津龍太郎環境事務次官に聞く、2014年の環境行政[1]

実施日時:平成26年1月8日(水)14:00〜
聞き手:一般財団法人環境情報センター 理事長 大塚柳太郎

中間貯蔵施設の整備が今年最大の課題

三村信男(みむらのぶお)さん
谷津龍太郎(やつりゅうたろう)さん
環境事務次官。
1976(昭51)年、旧環境庁に入庁。
環境省廃棄物・リサイクル対策部長、官房長、地球環境審議官を経て、13年7月から現職。
専門分野は、環境政策。
1989〜1991年JICAインドネシア人口環境省環境政策アドバイザーのほか、国連大学高等研究所客員研究員。
地球サミット(1992)、地球温暖化防止京都会議(UNFCCC COP3/1997)、G8環境大臣会合(2008)等の国際交渉に従事。

中間貯蔵施設のイメージ
中間貯蔵施設のイメージ
※拡大図はこちら

大塚理事長(以下、大塚)― 明けましておめでとうございます。
エコチャレンジャーに昨年につづき2回目のご登場をいただき、誠にありがとうございます。年頭にあたり、環境行政の責任者の立場から2014年を展望するお話をいただきたいと存じます。
早速ですが、それぞれの重点課題についてお伺いする前に、本年の環境行政の基本方針と、環境省としてのモットーについてお話しいただきたいと思います。

谷津さん― 1つの大きな柱は、東日本大震災からの復旧・復興で、最も大きな課題と考えています。福島を中心に、環境省としてやらなければならないことがたくさんございます。しっかりと進めてまいります。もう1つは、地球温暖化対策に改めて重点的に取り組んでいきたいと考えています。
環境省のモットーとしては、1992年の地球サミットでサステイナブル・ディベロプメント(持続可能な開発)が打ち出されたことを受け、それ以来、環境基本法・環境基本計画などを通じて持続可能な社会の実現を目指してまいりました。この政策理念に変わりはないのですが、今の時代背景の中で、持続可能な社会の実現のために、改めて個別の政策に落とし込む作業を、この1年をとおして進めていきたいと考えています。

大塚― 最初にあげられた東日本大震災からの復旧・復興ですが、震災からまもなく3年になろうとしています。今のお話で決意のほどが伝わってまいりましたが、もう少し具体的に、今年行おうとされている計画についてもお話しいただけますでしょうか。

谷津さん― 今年の最大の課題は、福島における中間貯蔵施設の整備になります。これまで、避難区域を中心に環境省が直轄で除染を進めてまいりました。それ以外の自治体においては、市町村に除染をお願いし、国が技術的あるいは財政的な支援をしてまいりました。この過程で、除染で除去された土砂などを受け入れるための中間貯蔵施設の整備が非常に強く求められております。除染を一層加速するためにも、中間貯蔵施設の整備は不可欠なのです。
環境省は来年1月から、除染除去物の中間貯蔵施設への搬入を開始することを目標にしてまいりました。来年1月まで、残された時間はごくわずかです。全力で取り組んでまいります。
昨年末に、福島県の皆さまに中間貯蔵施設の受け入れを正式に要請させていただきました。これからは、議会や住民の方々に丁寧にご説明し、受け入れに向けたご理解とご協力をお願いしていきたいと考えています。

大塚― 福島をはじめ、除染の対象地域の皆さまは大変な苦労をつづけておられます。そのご苦労にも応えようとする方針と思いますが、昨年末ころから少しずつ前向きの議論がはじまったように感じています。是非よろしくお願いいたします。

COP19の決定を受け、今年1年かけて2020年以降の目標の議論を精力的に行う

COP19 会議風景
COP19 会議風景

大塚― 2番目にあげられた地球温暖化対策ですが、昨年11月にポーランドのワルシャワで開かれたCOP19(国連気候変動枠組み条約第19回締約国会議)で、EUなどからは、日本は少し後退気味ではないかとの指摘もあったと新聞などで報じられましたが、今年の目標を含めお考えをお聞かせください。

谷津さん― ご承知のように、現在、日本では原子力発電所の安全審査が原子力規制委員会のもとで進められています。原子力発電の今後の位置づけの見とおしが難しい中で、原発の稼働ゼロを前提に、2020年時点の削減目標を打ち出したわけです。3.8%という数字だけみると不十分だというご批判があるかしれません。しかし、対策の中身をつぶさにご覧いただければ、これだけ省エネの進んだ日本でさらに20%の省エネを進めることに代表されるように、対策レベルでは意欲的な中身になっています。ワルシャワのCOP19の場でも、石原環境大臣を先頭に各国あるいは国際社会に丁寧に説明し、それなりの理解をいただけたと思っています。
これまでのCOPでの決定のとおり、2020年以降の新たな枠組みつくりを、2015年のCOP21で合意することをめざして交渉が行われています。今回のCOP19の決定を受け、準備ができた国は来年の第1四半期に次期の目標を事務局に報告することが求められたわけです。日本としても、今年1年かけて、2020年以降の目標の議論を精力的に行おうと考えています。

大塚― 昨年、谷津さんが地球環境審議官をされておられた折のインタビューで、世界中のすべての国が参加する枠組みつくりの重要性を強調されたことを思い出します【1】。COPの大きな流れとして、順調に前進しているとみてよろしいのでしょうか。

谷津さん― 私自身、長い間、地球温暖化の交渉に携わってまいりました。2009年にコペンハーゲンで開かれたCOP15に、各国の首脳が集まりながら、最終的な合意まで至らなかったことを経験しています。今回、COP21に向けて、アメリカも、中国も、すべての新興国も、2015年には合意しようと真剣に取組みを進めています。私自身は、2015年の合意を比較的楽観しています。逆に、万が一にも合意に失敗すると、地球温暖化対策の国際的な枠組み自体が非常に危機的な状況に置かれると思います。国連が中心になって、これだけの準備期間で交渉しながら合意できないとなれば、どういう枠組みがありうるかということになります。国連に代わる交渉の場を探すのは難しいですよ。繰り返しになりますが、交渉に携わっている各国の代表団のメンバーたちは、アメリカも中国も各国こぞって、2015年に2度目の失敗は許されないという固い決意で臨んでいると信じています。

大塚― よくわかりました。COPのこれからの議論における日本の役割にも期待したいと思います。

この3月のIPCC総会を、国民的議論が活発化するための重要なきっかけにしたい

大塚― 地球温暖化対策とも深く関係するIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第38回総会が、今年3月に横浜市で開催されます。横浜の会議のメインテーマは、温暖化対策の中でも注目度が増している適応策【2】になると聞いています。日本が国際的なリーダーシップをとることへの期待も大きいと思いますが、どのように臨もうとされておられるのでしょうか。

谷津さん― 東日本大震災の後、エネルギー危機あるいは電力危機についての議論が大事になったことは論をまたないのですが、一方で、地球温暖化対策にかんする議論が低調ではないかというご批判を、私自身もしばしばいただいてきました。
我々もいろいろな機会を通じて、地球温暖化に対する国民的な議論が活発化するための取組みを展開してまいりましたが、この3月のIPCC総会を重要なきっかけにしたいと考えています。と申しますのも、近年の日本の気候の変化を、国民の皆さまが実感されておられると思うからです。日本だけでなく、アジア、アフリカ、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアと、まさに世界中で気候の変化が起きています。日常の感覚の中で感じておられる気候の変化に対し、「温暖化の影響」という最新の科学的知見に基づく評価報告書が、横浜の地から世界に発信されるのです。非常に得難い機会と思っています。我々はこれをきっかけに、改めて、日本全体で地球温暖化問題を議論していただくよう、いろいろな機会を作っていきたいと考えています。

大塚― 3月のIPCC横浜会議の成功を期待しています。

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記事に含まれる環境用語|
気候変動枠組条約
地球温暖化
気候変動の緩和策と適応策
愛知目標
名古屋議定書
PM2.5
生物多様性条約
気候変動に関する政府間パネル
関連情報|
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第13回 環境省・谷津龍太郎地球環境審議官に聞く、2013年からの環境行政
国内ニュース
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