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エコチャレンジャー

環境問題にチャレンジするトップリーダーの方々との、ホットな話題についてのインタビューコーナーです。

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エコチャレンジャー

環境問題にチャレンジするトップリーダーの方々との、ホットな話題についてのインタビューコーナーです。

目次
当時、国内で処理が困難なものは他国に輸出され、早晩、環境問題が出てくる状況だった
廃棄物の仕事は物流が大きな問題で、リサイクルする量をどう集めどう処理していくかが鍵
小型家電にもレアメタルが含まれているから回収の対象にしようと検討したのが、小型家電リサイクル法の原点
【1】J・RIC(全国リサイクルネットワーク)
 全国規模で事業展開する廃棄物再資源化サービスで、1998年9月に第1回設立総会が開かれている。リーテム社が主幹事となり、地域ごとにばらばらだった廃棄物処理体制を産業廃棄物処理会社をネットワークし一元管理することで、廃棄物管理業務のレベルの向上と全国同一レベルの信頼あるサービスを提供している。
【2】産業構造審議会
 2001年に中央省庁再編に伴い設置された経済産業省所管の審議会。産業構造の改変、民間企業の活力向上、対外経済関係の発展など広範な事項を所掌する。現在は7つの分科会で活動している。
【3】家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)
 廃棄物の減量と資源の有効利用の観点から、廃棄物のリサイクル推進のための仕組みを構築するために制定された法律であり、1998年5月に成立し2001年4月1日より本格施行された。この法律では、エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機の4品目が特定家庭用機器として特定されている。
【4】PCリサイクル法(パソコンリサイクル法)
 2003年10月に施行された改正資源有効利用促進法を指すパソコン関連業界での通称。

No.069

Issued: 2017.09.20

第69回 株式会社リーテム取締役会長の中島賢一さんに聞く、廃棄される有用な資源の「都市鉱山」としての活用と、リサイクル社会への道筋[1]

実施日時:平成29年8月29日(火)10:00〜
聞き手:一般財団法人環境イノベーション情報機構 理事長 大塚柳太郎

当時、国内で処理が困難なものは他国に輸出され、早晩、環境問題が出てくる状況だった

中島賢一(なかじま けんいち)さん
中島賢一(なかじま けんいち)さん
 1992年 株式会社中島商店(現リーテム)代表取締役に就任。
 2007年 株式会社リーテム 取締役会長に就任。
 1996年より長年、経済産業省 産業構造審議会委員、環境省 環境中央審議会委員を務め、家電リサイクル法、PCリサイクル法、小型家電リサイクル法の制定に関わる。
 小型家電リサイクル認定事業者協議会 初代会長、一般社団法人日本鉄リサイクル工業会 理事・茨城部会会長・環境委員会会長、国際機関アジア生産性機構 緑の生産性諮問委員会 委員、早稲田大学 環境総合研究センター招聘研究員、等を歴任。

大塚理事長(以下、大塚)― 今回のエコチャレンジャーには、株式会社リーテム取締役会長の中島賢一さんにお出ましいただきました。株式会社リーテムは、明治42(1909)年に水戸市に創業された資源リサイクルの老舗で、東京に本社を移された平成9(1997)年に現在の社名に変更し、使用済小型家電を含む電気電子機器類・情報通信機器類等の廃棄物の再資源化とコンサルティングを主な事業とされています。
中島さんは、早稲田大学環境総合研究センター招聘研究員としてリサイクル環境ビジネスの講義を担当されていたり、国の中央環境審議会の小型電気電子機器リサイクル制度委員会委員として使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律(小型家電リサイクル法)の制定に携わるなど、幅広くご活躍です。
本日は、廃製品に含まれる有用な資源などの「都市鉱山」としての活用と、私たちが廃棄物とどう向き合うべきかなど、豊富な経験に基づくお話を伺いたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
最初に、株式会社リーテムは創業以来一世紀を超えられたわけですが、その紹介から始めていただけますか。

中島さん―  創業は、ご紹介いただいたように明治42(1909)年です。水戸で創業し、市内で長年事業を行っておりました。ところが、作業場が手狭になるとともに、大型設備を導入するために、広い場所を求めて茨城町に工場を作りました。茨城町から誘致された土地で、面積は約29,000m2あります。昭和45(1970)年のことです。私どもはこの工場を水戸工場と呼び、現在も操業の中心となっています。

大塚―  長い間、水戸市で仕事をされていたのですね。

中島さん―  はい、そうです。長年、市中の製造工場から発生する鉄スクラップ等の資源を回収して、リサイクルしていましたが、処理が困難なものもどんどん増えてきました。弊社としても新しい取り組みをしないと処理が追いつかない状況になり、たとえば、非鉄金属等を回収するために高性能特殊破砕機等の処理施設を導入しました。

大塚―  廃棄物の中身自体が変わったのですか。

中島さん―  そうですね。当時は国内で処理が困難なものは、他国に輸出されていました。台湾がダメなら韓国、韓国がダメなら中国、というような流れでしたから、早晩、環境問題が出てくる状況だったのです。
当時はレアメタルというような考えはまったくなく、取り敢えず、金などの金属をいかに取り出すかが優先されたのです。できるだけ細かく破砕して剥離し、金属等を単体分離させて、廃棄物由来の材料をほとんど扱うことのなかった非鉄製錬所で、受け入れてもらえるようにするためのプラントを作ったのが25年くらい前ですね。試行錯誤の連続でした。

廃棄物の仕事は物流が大きな問題で、リサイクルする量をどう集めどう処理していくかが鍵

大塚―  技術革新がつづいたのですね。

中島さん―  水戸工場の業務は、茨城県内だけでなく東京をはじめ県外からの取り引きも増えてきました。そこで平成9(1997)年に本社を東京へ移し、会社名を株式会社リーテムと改名。平成17(2005)年に東京スーパーエコタウンに東京工場を建設しました。廃棄物の仕事は物流が大きな問題で、リサイクルする量をどう集めどう処理していくかが鍵なので、東京工場で大量に廃棄物を集め前処理をし、細かい分離作業は水戸工場で行ない、ゼロエミッションを達成できるようにしたのです。

東京工場外観
東京工場外観


金銀銅滓
金銀銅滓

大塚―  東京に移られて扱う廃棄物の量が増えたのですか。

中島さん―  いや、その前から、首都圏のお客様が増えていたのです。先進的な取り組みをする企業からの仕事が増えました。我々が他社にはできない技術を持っていたためだと思います。

大塚―  非常にダイナミックな対応をされたのですね。

中島さん―  少しさかのぼりますが、北海道や九州からは東京まで廃棄物を運べないという話が出てきておりました。そのため、弊社が中心になって、平成10(1998)年にJ・RIC(全国リサイクルネットワーク)【1】という組織を作りました。日本の各地域で、我々が信頼できる会社を監査選定し、それらの会社で適正にリサイクルをしてもらうことで、物流のエネルギーやCO2、コストの削減に貢献しています。それらの協力会社でどうしても対応できないものは、弊社で処理するようにしました。

大塚―  その頃、レアメタルという見方がそろそろ出はじめたのですか。

中島さん―  いえ、まだですね。我々には、どのようなレアメタルが何に使われているかという情報が届いていない状況でした。金、銀、銅については分かりますので、まずはそれらの金属を濃縮して取り出しリサイクルすることを目指していた段階です。
当時から、製錬所により購買条件の含有量が決まっていましたので、それに対応するための濃縮をはじめとする技術開発は大変でしたが、非鉄製錬所の方々の協力もあり徐々に進んだのです。

小型家電にもレアメタルが含まれているから回収の対象にしようと検討したのが、小型家電リサイクル法の原点

パソコン内部の部品
パソコン内部の部品

大塚―  少し話を進めさせていただきます。小型家電リサイクル法が施行されたのは4年前の平成25(2013)年ですが、今お話しいただいた頃からの20年間ほどを振り返っていただけますか。

中島さん―  私は、産業構造審議審【2】では家電リサイクル法【3】の起ち上げから関わり、その後のPCリサイクル法【4】にも関わらせていただきました。家電リサイクル法の対象は大型家電四品目だけで、小型家電は含まれていませんでした。ところが、中国からレアメタルの輸出規制があった時期と重なり、レアメタルの検討会も組織化されました。その検討会の議論で、小型家電にもレアメタルが含まれているので回収の対象にしようと考えたのが、小型家電リサイクル法の原点でした。

大塚―  結果からみると大変大きな意義があったわけですが、今後の運用については課題を含めてどのようにお考えですか。

中島さん―  この法律で対象とする使用済小型家電の廃棄量は、年間に65万トンくらいだといわれています。しかし、残念ながら現在回収できているのは6万トン強くらいの、約1割です。
いろいろな原因がありますが、中国をはじめとする海外に、鉄スクラップなどに混ざって輸出されることが多いのです。海外では値段が高くなるためです。というのは、国内で処理すると処理費がかさむのに対し、海外だと手でばらして野焼きされるような状況なので処理費が安価で済むからです。一方で現地では環境汚染も発生しています。この問題に対処するために、日本国内で循環させる必要があると思います。今まで海外に流失していた廃棄物や最終処分場に埋め立てられていた廃棄物が、国内で資源循環できるようになる意義は大変大きいと感じています。

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