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環境ニュース[国内]

新日鉄、鉄鋼スラグ活用の藻場造成製品シリーズが全漁連の安全確認認証を取得

エコビジネス】 【掲載日】2010.09.07 【情報源】企業/2010.09.02 発表

 新日本製鉄は、鉄鋼副産物の鉄鋼スラグを活用した藻類を生育するための肥料「ビバリーユニット」と、漁場用ブロック「ビバリーブロック」、人工石「ビバリーロック」の藻場造成製品シリーズが、全国漁業協同組合連合会(全漁連)の製品安全確認認証を取得した。これらの製品で藻場の再生を図ることで、生物多様性の保全に貢献する。

 ビバリーユニットは、鉄分が豊富に含まれる転炉(銑鉄を鋼に転換する炉)系の製鋼スラグと、間伐材の枝をチップ化して発酵させた人工腐植土を混合。海藻類の生育に必要な鉄分を供給する。森林の落ち葉などが発酵してできた腐植土中の酸が、土中の鉄分と結び付いて河川から海に供給される自然のサイクルを人工的に再現した。ヤシの木からとった繊維の袋に入れたり、鋼製の箱に詰めて海中に設置する。

 ビバリーブロックとビバリーロックは、転炉系製鋼スラグと高炉(鉄鉱石から銑鉄を取り出す炉)スラグの微粉末などを練り混ぜて製造。漁港、漁場の整備用の天然石材やコンクリートブロック資材の代替として使用する。今回、一般社団法人 全国水産技術者協会の漁場造成・再生用資器材の利用技術認定制度に申請し、認定・登録。その通知を受けて全漁連の製品安全確認認証制度に申請し、認められた。

 全国各地の海岸では、海藻が消失して不毛の状態となる「磯焼け」と呼ばれる現象が広がっている。森林伐採や河川上流の開発によって森から海への鉄分供給が減少したことが原因の一つ。新日鉄は、鉄鋼スラグが鉄分を豊富に含むことに着目し、海の肥料として開発した。2004年に北海道増毛町で実証して効果を検証。現在は、全国約20カ所の海域で、藻場再生プロジェクトを展開している。

提供:ECO JAPAN(日経BP社)

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