東芝、東北電力の実証事業に使われる世界最大出力の系統用蓄電池システム受注

【エネルギー 再生可能エネルギー】 【掲載日】2013.11.28 【情報源】企業／2013.11.26 発表

　東芝は、東北電力の実証事業に使われる系統用蓄電池システムを受注した。出力は、基幹系統の変電所に設置するシステムとして世界最大となる40MW（4万kW）である。東北電力の西仙台変電所（仙台市太白区）で11月25日に据え付け工事を始めた。2015年2月をめどに設置を完了し、その後3年間、実証試験を実施する予定になっている。
　蓄電池システムは40MW（4万kW）の出力と20MWh（2万kWh）の容量で、東芝のリチウムイオン二次電池「SCiB」を搭載する。SCiBは長寿命が特徴で、約1万回以上の充放電が可能。また、高い安全性、低温動作などの特性を持つ。蓄電池はコンテナ内に収納する。気象条件によって出力が変動する風力発電や太陽光発電の普及に伴う周波数変動対策に使われる。
　東北電力の実証実験では、変電所に設置した大型蓄電池システムに対して自動的に出力調整指令を送信して充電池の充放電を制御する。これによって再生可能エネルギー導入拡大への効果、周波数調整力拡大の効果・影響、火力発電機と組み合わせた周波数制御を検証する。蓄電池の充電レベル、充放電ロス、寿命などについても調べる。
　東芝は蓄電システムに関する事業を広く展開している。横浜市や宮古島市のスマートコミュニティー（環境配慮型地域）実証事業や、米国の環境配慮型商業施設の構築プロジェクトに参画したほか、イタリアのローマ市配電・水道公社から蓄電池システムも受注した。今回の大規模出力蓄電池システムの受注を弾みに、事業拡大を進める。 【（株）東芝】