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環境ニュース[海外]

日立製作所、EVの走行可能距離を2倍にするリチウムイオン電池の要素技術を開発

エネルギー 省エネルギー】 【掲載日】2014.11.18 【情報源】日本/2014.11.14 発表

 日立製作所は、電気自動車(EV)の走行可能距離を約2倍にするリチウムイオン電池の要素技術を開発した。電極の厚さを従来の2倍にし、充放電できるリチウムイオンの量を増やしてエネルギーを高密度にする。併せて、リチウムイオンの移動を促進する電極内の活物質の分布を最適化して出力を高め、電池の長寿命化も実現する。
 EVの普及に不可欠な走行距離の確保には、リチウムイオン電池の高エネルギー密度化・高出力化と長寿命化が求められる。実際に使われる容量30Ah級のセルでエネルギー密度を約2.6倍にするなど、高い初期性能を達成した。搭載セル重量150kg、1km当たり114Whの電費の試算から走行距離は約2倍に伸びる。
 電極を厚くして充放電できるリチウムイオン量を増やすとエネルギーが高密度化できる半面、厚くなるとリチウムイオンを出し入れする活物質の分布が不均衡になり、リチウムイオンの移動が妨げられる。日立は電極構造を3次元で可視化する技術を開発してリチウムイオンの移動特性を明らかにし、活物質の分布を最適化して出力を高めた。
 負極材に用いられる従来の炭素系材料に比べて、リチウムイオンを多く充放電できるシリコン系材料は、電極から剥がれやすく短寿命だった。シリコン系材料を電極に強く密着させることでこの課題を解決し、炭素系材料と同等の寿命を維持できる。正極材では、高電圧を加えた際に電解液が分解することで寿命の低下を招いていたが、正極表面に酸化物を被せることで寿命の低下を抑制する。2020年ごろの実用化を目指して開発を進める。

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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