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環境問題にチャレンジするトップリーダーの方々との、ホットな話題についてのインタビューコーナーです。

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環境問題にチャレンジするトップリーダーの方々との、ホットな話題についてのインタビューコーナーです。

目次
タイヤの場合、圧倒的に多くのCO2が出るのは、走行中におけるタイヤの「転がり抵抗」
タイヤに関わる研究は、ポリマーをはじめとする高分子化合物に関わる幅広い技術がベース
新たな方針として“Our way to serve”を、CSR(企業の社会的責任)の新たな目標として発表
一人ひとりの生活と社会とを天秤にかけ、互いにバランスをとるようにしないと世の中は良くならない
【6】転がり抵抗(Rolling Resistance)
 ボールやタイヤなどの球、円盤、円筒状の物が転がるとき、進行方向と逆向きに生じる抵抗力。転がる物体とそれを支えている物体の構造、材質、表面の粗さ、物体間の垂直抗力に大きく依存する。
【7】Hara's Eyes
 今回のエコチャレンジャーに登場された原秀男さんが、ブリヂストンの技術に関し噛み砕いて伝える連載企画。
http://www.bridgestone.co.jp/corporate/technology/eyes/
【8】メガパスカル(MPa)
 圧力の単位。1パスカル(1平方メートルにつき1ニュートンの力が作用する圧力または応力)の100万倍
【9】ポリマー(Polymer)
 複数のモノマー(単量体)が重合する(結合して鎖状や網状になる)ことによってつくられる化合物で、一般には高分子の有機化合物。現在は、高分子と同義で用いられることも多い。

No.070

Issued: 2017.10.20

第70回 株式会社ブリヂストン技術スポークスパーソンの原秀男さんに聞く、タイヤに関わる安全や環境の問題、交通システムを含む持続可能な社会つくりへの関わり[2]

実施日時:平成29年9月27日(水)10:00〜
聞き手:一般財団法人環境イノベーション情報機構 理事長 大塚柳太郎

タイヤの場合、圧倒的に多くのCO2が出るのは、走行中におけるタイヤの「転がり抵抗」

大塚―  CO2の削減については、どのようにみればいいのでしょうか。

原さん―  ブリヂストンがCO2排出量を減らすために考えているのは、CO2のライフサイクルです。タイヤの一生をCO2から見るのです。まず、原材料について言えば、ブリヂストンは原材料メーカーから、原材料とともにそれまでに出されたCO2も一緒に買っていると考えるわけです。原材料を使ってタイヤを生産する工程では、電気やガスを使いますからCO2が出ます。物流で物を運ぶ際にもガソリンを使うのでCO2が出ます。タイヤの使用後の廃棄・リサイクルにおいてもCO2が出ます。
その通りなのですが、タイヤの場合、圧倒的に多くのCO2が出るのは、走行中におけるタイヤの「転がり抵抗」【6】に関わっています。我々の試算によると、全排出量の86%にもなるのです。
原材料への配慮、生産過程、廃棄・リサイクル過程などでCO2削減を行うのは当然として、ブリヂストンの最大のミッションは、転がり抵抗の改善という難しい技術開発を実現し、CO2排出量を大きく削減させることだと考えています。具体的な目標は、2005年を基準年として2020年までに、タイヤの転がり抵抗の改善による25%の削減、そして原材料の段階や物流・生産・廃棄などの段階をすべて含めた35%の削減です。

大塚―  多くの取り組みを進めておられますが、その原動力はどのようなこととお考えですか。

原さん―  先ほども申し上げたように、ESGすなわち環境・社会・ガバナンスが不十分な企業は、社会に存在しなくなると考えており、いわば本来の目指すべき課題に立ち向かっていると感じています。

大塚―  当然なのかもしれませんが、素晴らしいですね。期待しております。

低燃費タイヤ(右側が次世代低燃費タイヤ、Ologic 155/70R19)
低燃費タイヤ(右側が次世代低燃費タイヤ、Ologic 155/70R19)

タイヤに関わる研究は、ポリマーをはじめとする高分子化合物に関わる幅広い技術がベース

大塚―  ところで、ブリヂストンはタイヤ生産以外でも、未来の社会を見据えた企業活動を展開されています。その例をご紹介いただけますか。

ブリヂストンが開発した高圧充填水素ホース
ブリヂストンが開発した高圧充填水素ホース

原さん―  水素ステーションへの貢献を取り上げましょう。このことは、Hara's Eyes【7】でも取り上げているのですが、サービスステーションを運営しているENEOSさんが2年ほど前に東京都杉並区に造った、燃料電池自動車用の水素ステーションに、ブリヂストンが製作し設置した高圧充填水素ホースがあります。
電気自動車の充電には最短でも30分くらいかかりますが、燃料電池車の水素の場合はガソリンとほとんど変わらず、1分間充填すれば200〜300キロメートルは走れます。問題は水素が気体ということです。大量の水素を充填するために、70メガパスカル【8】という非常に高い圧力で圧縮しているのです。ちなみに、70メガパスカルという圧力は、親指の先に大型乗用車1台が乗っているのに相当するほどです。もう1つ大事なことは、ご承知のように水素は最小の分子ですから、ちょっとした隙間があれば外に漏れてしまうのです。
ブリヂストンが考えたのは、水素を充填するホースの改良です。一番内側に特殊なプラスチック樹脂を使って小さい水素分子を漏らさないようにし、働く圧力を支えるために6層のワイヤーで膨らまない設計になっています。その上、ホースですから使い勝手がいいようにやわらかくなっています。ENEOSさんと共同開発したこの高圧充填水素ホースは、日本各地で設置が増えており、日本の低炭素化に貢献していると考えています。

大塚―  ENEOSとの共同開発の側面があるのでしょうが、ホースの開発の基になったのはブリヂストンの技術なのですね。

原さん―  タイヤに関わる研究は、ポリマー【9】をはじめとする高分子化合物に関わる幅広い技術がベースになっています。ですから、その技術はいろいろな応用が可能で、たとえばゴルフボールや、地震が起きた時に建物の揺れを免震するゴムも製作しています。

新たな方針として“Our way to serve”を、CSR(企業の社会的責任)の新たな目標として発表

大塚―  ブリヂストングループは、タイヤをはじめとする技術開発とともに、広い意味での交通文化など、未来の持続可能な社会を意識されておられるわけで、その一端をご紹介いただきたいと思います。

原さん―  今年6月に、ブリヂストンは新たな方針として“Our way to serve”を、CSR(企業の社会的責任)の新たな目標として発表しました。今まで、CSRはCSRとして行ってきたものを、今回はさらに体系的なものにいたしました。会社としてのミッションあるいは哲学と言えるかと思いますが、今までは「ブリヂストンという会社の窓から社会を見ていた」のに対し、「社会という窓からブリヂストンという会社を見る」ということです。
具体的には、ブリヂストンが社会に貢献することとして3つをあげました。第1はMobility(モビリティ)で、多様な移動のニーズに応え、安全・安心の移動をはじめモビリティ社会の持続的成長に寄与することです。第2はPeople(一人ひとりの生活)で、安全・安心な暮らしを支え発展に貢献するために、地域社会との信頼関係を構築することです。第3はEnvironment(環境)で、自社の環境負荷削減とともに環境負荷削減に貢献する商品やサービスを通じ共通価値を創出することです。
“Our way to serve”を分かり易く言い換えると、社会で暮らす方々が快適に移動し、快適に生活し、快適に働き、生活を楽しむために、ブリヂストンが社会に存在することを社会に対して約束したわけで、非常に重い意味をもつと考えています。

一人ひとりの生活と社会とを天秤にかけ、互いにバランスをとるようにしないと世の中は良くならない

大塚―  ブリヂストングループが目指していることをお話しいただいてきましたが、最後に、原さんご自身がEICネットを見ておられる方々に向けた個人的なメッセージをいただけないかと思います。

原さん―  そうですね。社会で生活する一人として、私が感じていることをお伝えしたいと思います。環境もそうですし、社会的責任(ソーシャルレスポンシビリティ)もそうですが、結局のところ、一人ひとりの生活と社会とを天秤にかけ、互いにバランスをとるようにしないと世の中は良くならないと思っています。ですから、社会が良くなければ一人ひとりも良くならないのです。このバランスをとれるのが大人であり、社会人であると考えています。言い換えると、社会人は何歳になっても社会と一緒に成長しつづける、それができて、はじめて社会人と言えるのだと思います。 私が携わっている技術スポークスパーソンという職もそうですが、EICネットで発信される情報も含め、情報は非常に大切なもので、情報を共通の関心事として互いに分かり合うことが必要なのです。社会の関心事と個人の関心事が同じだと同時に成長できる、このことが、素晴らしい公共性、すなわちパブリシティだと思っています。

大塚―  いろいろなことをお話しいただきました。特に、ブリヂストンが会社から社会を見るのではなく社会から会社を見ること、そして最後に、原さんご自身の経験に基づく考えをお聞きできました。本日はどうもありがとうございました。

株式会社ブリヂストン技術スポークスパーソンの原秀男さん(左)と、一般財団法人環境イノベーション情報機構理事長の大塚柳太郎(右)。
株式会社ブリヂストン技術スポークスパーソンの原秀男さん(左)と、一般財団法人環境イノベーション情報機構理事長の大塚柳太郎(右)。


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